2012年に産まれた男の子の赤ちゃんで最も多かったのは「悠真」くん!

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『クレヨンしんちゃん』においてのエピソード。ひまわりが産まれた際、こんなくだりがあったそうだ。どんな名前にするか家族で話し合っている最中、父・ひろしの口から「名前っていうのは一生残るもんなんだ。家族の俺達が真剣に考えないでどうする」。
いや、至極まっとうな発言です。当たり前といえば当たり前。ただ、世には「ん?」と思う名前を付けてしまう親御さんが増えているように思うわけで……。あくまで、個人的な意見ですが。

しかし、このデータを見て私は安心しました。株式会社ベネッセコーポレーションの妊娠・出産・育児事業「たまひよ」では、2012年1〜10月に生まれた赤ちゃん33,640人を対象に、名前や名前の読み方、漢字などを調査・分析。結果、今年最も多かった赤ちゃんの名前が判明したのです。

じゃあ早速、発表しちゃいます。
男の子の名前、2012年は「悠真(昨年3位/主な読み「ゆうま」)が 昨年1位の「大翔」をおさえて1位に輝きました! 「悠真」は2008年以来必ずトップ10に入る人気の名前だったのだが、2012年に初めて1位を獲得。広い心を持って、まっすぐに育ってほしいという親の願いが感じられます。
また、「龍之介」(昨年61位→今年5位)が大幅に順位を上げて、トップ10入りを果たしているのも見逃せない。辰年にちなみ、縁起が良く力強さも感じられる「龍」の字を使った名前が人気になったと考えられます。

一方、女の子の方は「結愛」(主な読み「ゆあ」/昨年3位)が1位に! 実は2010年にもこの名前は1位となっており、いわば返り咲きであります。「結愛」には「人との結びつきを大切にし、人から愛される子に」という願いが込められているのでしょう。
実は「結」という漢字を使った名前は、「結愛」の他にも「結菜」(3位)、「結衣」(4位)がトップ10にランクイン。2012年を反映する漢字と言えるでしょうか。

では次に、今度はこの観点で集計してみよう。“名前に使われた漢字”を調べてみると、男の子の方は8年連続で「太」が1位に、そして2位には「大」がランクインしております。このワンツーフィニッシュは昨年も同様らしく、まさに不動の人気と言えます。

また「龍」が昨年の32位から大幅に順位を上げ、9位へと大躍進を果たしている。辰年にちなみ、縁起が良く力強さも感じられる「龍」の字が人気を集めたのでしょう。辰年に関連する漢字は他にも「竜」、「辰」などがあるが、2012年は「竜」が53位、「辰」が161位という結果に落ち着いています。
そういえば同様の傾向として、2010年(寅年)には「虎」が64位から21位に上昇したこともあったとのこと。
ちなみに辰年生まれで名前に「龍」の字がつく著名人には、芥川龍之介(1892年生まれ・小説家・故人)、坂本龍一(1952年生まれ・音楽家)、五嶋龍(1988年生まれ・バイオリニスト)、濱田龍臣(2000年生まれ・俳優)などがいます。

一方、女の子の名前で使われた漢字について。なんと、3年連続で「愛」が1位を獲得しております! 「愛情・優しさを大切にしてほしい、愛される子になってほしい」といった願いが込められているのでしょう。
他には「菜」、「美」といった漢字も人気を集めているが、“女の子の名前に使われる人気漢字”はベスト10内で順位は変動するものの、ここ数年はほぼ一定と言ってよいという。

さて。こうした結果を見ていくと、ある傾向に気付きます。近年は、確実に“元々の漢字の読みを短くする読み方”が定着しているのです。例えば「愛」を「あ」と読ませたり、「心」を「こ」「ここ」にしたり……。
何しろ、女の子の名前ランキングでは「愛」や「心」を短くして読ませる名前が100位以内に11もランクイン! “付けたい名前の音”と、“漢字に込める親の願いや思い”を両立させることで、このような読みになると考えられます。
実はこの傾向、2008年ごろから見受けられているのだが、2012年は「名前ランキング」トップ10に「結愛」と「心春」の2つの名前がランクイン。すっかり定着したことが証明されました。

その他としては、これまで主に女の子に使われていた「結」、「愛」といった漢字が男の子の名前に使われることが増えている模様。(41位に「結斗(ゆいと)」、93位に「愛翔(まなと)」など)
「人との結びつきを大切に」、「優しい子に」という願いは、男女を問わないものになっていることの表れかもしれないです。

では、最後に。親御さんが赤ちゃん名前に託したイメージがランキング化されているので、見ていきたいと思います。
まず男の子は、上から1位「優しい・おもいやり」、2位「健康・元気な」、3位「素直・まっすぐ」というトップ3に。一方、女の子に関しては、上から1位「優しい・おもいやり」、2位「愛し、愛される」、3位「美しい・きれい」というランキングになりました。
やっぱり、優しい人に育ってほしいですものねえ。

名前は「こんな子に育ってほしい」「素敵な人生を歩んでほしい」と願いを込め、ママ・パパから赤ちゃんに贈る最初のプレゼントでもある。
ぶっちゃけ、私は安心しました。世の中は、素敵なプレゼントでいっぱいじゃないですか。
(寺西ジャジューカ)