五十嵐亮太が争奪戦の末ソフトバンクに入団が決まった。救世主的な働きをした岡島秀樹がMLB再挑戦を表明したために、その穴埋めという意味もあろう。それにしても3年6億は大きな金額だ。ちなみに岡島は3500万円+出来高。おそらく出来高は全額支払われたとは思うが、せいぜい1億円ではないか。

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MLBで岡島は5年で261試合に登板し17勝8敗86ホールドを上げている。2007年、8年はボストン・レッドソックス=BOSの絶対的なセットアッパーで、2007年には出場こそなかったがオールスターゲームに選出されている。ERAは3.11。

五十嵐亮太は3年で83試合に登板し、5勝2敗4ホールド、ERA6.41。
ちなみにNPBの実績で見れば、岡島は13年495登板34勝34敗45ホールド50セーブ、ERA3.20、五十嵐は10年507登板、47勝29敗53ホールド54セーブ、ERA3.25とほぼ同格。

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NPB側は五十嵐のNPBでの実績を評価したのかもしれないが、それにしても両者には大きな開きがある。

昨日は、西岡剛も阪神への入団が内定した。古巣ロッテは袖にされたのだ。西岡も出来高込だが2年5億という大きな提示がなされたという。

西岡も五十嵐も、MLBではほとんど実力を発揮できなかった。ともに故障という不運があったが、MLBの野球に適応できなかった感が強い。ろくに試合に出場せず、負け戦ばかり経験してきた選手に、これだけ好待遇を提示するとは、NPBは何という手厚い国だろうか。
岡島と五十嵐でこれほどに差がついた理由はなんなのだろうか。

ひょっとすると、五十嵐には代理人がついていたのかもしれない。手練手管で年俸を吊り上げられた可能性はあるだろう。西岡もそうなのかもしれない。

ただし、五十嵐は故障さえ癒えていたら、活躍する可能性は大いにあろう。五十嵐がMLBに行っている間にNPBでは統一球が導入された。多くの投手はこれで息を吹き返した。五十嵐もその恩恵に浴することは考えられる。
ただ、セットアッパーにこれだけの年俸を払うのは、ふつう考えられない。MLBの救援投手のトップクラス(マリアノ・リベラなど人い義理の例外を除く)とほぼ同じなのだ。

何度も触れているが、西岡は同じ統一球がマイナスに働く可能性が高い。岩村明憲が全く活躍できなかったように、西岡も苦労する可能性が高い。また、阪神は鳥谷がFA権を行使せず残留している。西岡は三塁または二塁を守るのだろうか。これも不安要素ではある。

球団としては、話題作り、客寄せの意味合いもあるのかもしれないが、緻密な計算に基づいて選手を獲得するのではなく、ダボハゼのように有名選手に飛びついているように思える。素人くさい感じがしてならない。