ピンツォーロのスタジアムで、ピッポ・インザーギ監督が新たな冒険をスタートさせた。セリエAで156得点を記録した彼は、相手のゴールネットを揺らすのをやめ、ミランの下部組織を率いるために監督としてホイッスルを口にくわえるよういなったのだ。

「もうピッポではなく、ミステル(監督)と呼ばれたい」と語るインザーギ監督。多くのサポーターはゴールゲッターがいなくなったことでミランの運命を心配しているが、同監督はこう話している。

「私は安心しているよ。ほかにもっと難しいシーズンもあった。でも、(アドリアーノ・)ガッリアーニ代表取締役と(シルヴィオ・)ベルルスコーニ名誉会長がいる限り、ミランは大丈夫だ。5年間でチャンピオンズリーグ(CL)決勝に3度進出したときのように戻るはずだよ。今後数か月は苦しむかもしれない。でも、チームはまた勝つようになるはずだ。ミランのDNAには、勝利があるのだからね」

インザーギ監督はFWステファン・エル・シャーラウィを評価しているようだ。『スカイ・スポーツ』で次のように述べている。

「彼が素晴らしいシーズンを過ごせるように願っている。私は彼のことを知っているし、ベストを願っているよ。若手には、プレーへの意欲、うまくやりたいという強い気持ちを持つことが大切だと言いたい。私にはそれがあった。そして人々もそれを持ち、20年のキャリアを経て、いまだ私に感謝してくれている」

「出会った指導者の中で最も何かを残してくれたのは、間違いなく(ジジ・)カンニ監督と(ボルトロ・)ムッティ監督だ。(カルロ・)アンチェロッティ監督もたくさんのことを教えてくれた。今朝、彼は8時30分に電話してきたよ。練習を忘れるなってね(笑)」

「私は4バックで戦う。それがミランでは絶対だ。アタッカーは3人。だから、理論上はすごく攻撃的なチームとなる。グループに2、3人、とても面白いストライカーがいるのを目にした。ただ、私のような特長を持つアタッカーを見出すのは難しいな。私の選手時代の夢は、CLを制覇することだった。今は監督として、同じことを目標としている。つまり、ベストを目指すということだ」

まだプレーを続けられたという意見に対し、インザーギ監督は「でも、ミランでそれを続けることができなかったから、こういう決断を下したんだ。これで良かったんだよ」と答えている。