ガンダム人気は「ファイト・オア・フライト現象」のおかげ!?
今年4月、ガンダムの世界観を体験・体感できるテーマパーク「ガンダムフロント東京」が東京・お台場の大型商業施設「ダイバーシティ東京 プラザ」内にオープンしました。
歴代のガンプラが集結する「ガンプラTOKYO」やドーム型のスクリーンにオリジナル映像が流れる「DOME-G」などファンにはたまらない空間に仕上がっているようです。
放送開始から30年以上経った今なお、テーマパークができるなど高い人気を誇り、次々新しい作品を生み出し新たなファンも獲得しつづけているガンダムシリーズ。
今回は、特に人気の高いファーストガンダムの魅力を心理学者の内藤誼人先生に分析していただきました!「私も『機動戦士ガンダム』を見て育った『ガンダム世代』です。
ガンダムの人気を説明しろと言われてもさまざまな理由が考えられるので、非常に難しいです。
よく言われているのは、戦争をテーマにしたロボットアニメでありながら人間ドラマの要素を多く取り込んだ点ですよね。
その中でも特に私は、主人公のアムロ・レイのキャラクターに注目してみました」確かに主人公のアムロ・レイは機械いじりが好きな内向的な少年で、それまでのロボットアニメにはいないタイプの主人公でしたよね。
「戦場から逃げ出してしまったり、ガンダムのコックピットで震えながら敵と戦ったり……、ヒーローらしからぬ弱い姿を何度も見せます。
その姿に、視聴者はリアリティーを感じたのではないでしょうか。
なぜなら人間にとって危機的状況に置かれたとき『逃げる』というのは最も自然な行動と言えるからです」逃げるのは恥ずかしい行為という気がしていましたが、人間にとって自然な行動なんですね。
内藤先生によると「逃げる行為は危機的状況におかれたときに人間が行う原始反応であり、人間の本来の姿なのです」とのこと。
それを実証する心理学的なデータも紹介してくれました。
「危機的状況に陥ったとき逃げたくなってしまう。
この現象を心理学では、『ファイト・オア・フライト現象』と言います。
人間はストレス状況に置かれたとき、戦うか、逃げるかという原始的な防御反応をとるのです。
ただ、実際は戦うよりも防御をとる人間が多いようです。
アメリカのワシントン州立大学のトーマス・ベッカーは164名の大学生に『嫌な場面に直面したとき、あなたはどんな行動をとりますか』と質問しました。
その結果、最も多かった回答が『逃げる』ということだったのです。
心理学的に分析すると、アムロが見せる『逃げる』という行為は人間らしい行動の現れと言えるのです」なるほど、そんな姿に人々はリアリティーを感じ、ガンダムの世界に魅了されていったといえるようです。
内藤先生はこう続けます「人生の中で何かから逃げた経験のない人はいないと思います。
恋愛から逃げる、仕事から逃げる、勉強から逃げる……つらいことを経験したら誰だって逃げたくなるはず。
そんな経験があるからこそ、つらい状況で逃げたくなりながらも試練に立ち向かうアムロにエールを送りたくなるのではないでしょうか」今回取り上げたのは、アムロだけですがそのほかのキャラクターの心理描写も丁寧にされているのが『機動戦士ガンダム』の魅力。
組織社会で戦う悩みや葛藤も描かれているので、社会人の私たちが共感できるポイントもたくさんあります。
自分に自身が持てない、第一線で戦うのに疲れた方という方は、ぜひガンダム作品から勇気をもらってはいかがでしょうか。
(C) 創通・サンライズ
歴代のガンプラが集結する「ガンプラTOKYO」やドーム型のスクリーンにオリジナル映像が流れる「DOME-G」などファンにはたまらない空間に仕上がっているようです。
放送開始から30年以上経った今なお、テーマパークができるなど高い人気を誇り、次々新しい作品を生み出し新たなファンも獲得しつづけているガンダムシリーズ。
ガンダムの人気を説明しろと言われてもさまざまな理由が考えられるので、非常に難しいです。
よく言われているのは、戦争をテーマにしたロボットアニメでありながら人間ドラマの要素を多く取り込んだ点ですよね。
その中でも特に私は、主人公のアムロ・レイのキャラクターに注目してみました」確かに主人公のアムロ・レイは機械いじりが好きな内向的な少年で、それまでのロボットアニメにはいないタイプの主人公でしたよね。
「戦場から逃げ出してしまったり、ガンダムのコックピットで震えながら敵と戦ったり……、ヒーローらしからぬ弱い姿を何度も見せます。
その姿に、視聴者はリアリティーを感じたのではないでしょうか。
なぜなら人間にとって危機的状況に置かれたとき『逃げる』というのは最も自然な行動と言えるからです」逃げるのは恥ずかしい行為という気がしていましたが、人間にとって自然な行動なんですね。
内藤先生によると「逃げる行為は危機的状況におかれたときに人間が行う原始反応であり、人間の本来の姿なのです」とのこと。
それを実証する心理学的なデータも紹介してくれました。
「危機的状況に陥ったとき逃げたくなってしまう。
この現象を心理学では、『ファイト・オア・フライト現象』と言います。
人間はストレス状況に置かれたとき、戦うか、逃げるかという原始的な防御反応をとるのです。
ただ、実際は戦うよりも防御をとる人間が多いようです。
アメリカのワシントン州立大学のトーマス・ベッカーは164名の大学生に『嫌な場面に直面したとき、あなたはどんな行動をとりますか』と質問しました。
その結果、最も多かった回答が『逃げる』ということだったのです。
心理学的に分析すると、アムロが見せる『逃げる』という行為は人間らしい行動の現れと言えるのです」なるほど、そんな姿に人々はリアリティーを感じ、ガンダムの世界に魅了されていったといえるようです。
内藤先生はこう続けます「人生の中で何かから逃げた経験のない人はいないと思います。
恋愛から逃げる、仕事から逃げる、勉強から逃げる……つらいことを経験したら誰だって逃げたくなるはず。
そんな経験があるからこそ、つらい状況で逃げたくなりながらも試練に立ち向かうアムロにエールを送りたくなるのではないでしょうか」今回取り上げたのは、アムロだけですがそのほかのキャラクターの心理描写も丁寧にされているのが『機動戦士ガンダム』の魅力。
組織社会で戦う悩みや葛藤も描かれているので、社会人の私たちが共感できるポイントもたくさんあります。
自分に自身が持てない、第一線で戦うのに疲れた方という方は、ぜひガンダム作品から勇気をもらってはいかがでしょうか。
(C) 創通・サンライズ