開設からわずか7年で商品取扱高570億円、時価総額2000億円という大企業に成長したファッション総合ショッピングサイト「ZOZOTOWN」。同サイトを運営するのが、元バンドマンの前澤友作氏が代表取締役を務めるスタートトゥデイだ。

 10月31日に創刊されたファッションスナップ誌『3 SAN』では、現代のファッションシーンを語る上で欠かせない存在である前澤氏のインタビューを収録。「あくまで趣味の延長が仕事になっただけ」と語る前澤氏の経営哲学を聞いている。

 中でも印象的なのは、最終目標が「資本主義を変ること」だという前澤氏の発言。「お金に縛られたくない」とも語る前澤氏は、世の中で"普通"とされていることに対し、こう疑問を投げかける。

「学校を卒業したらみんな就職しますよね。そして、朝は通勤ラッシュの電車に揺られて会社に行き、1日8時間月曜日から金曜日まで働く。それでストレス解消だって言って帰りに居酒屋で泥酔する(笑)。これが普通だと思うかもしれないですが、このライフスタイルって、果たして本当に人間らしいのか? って僕は思うんですよね。せっかく人間に生まれてきたのだから、人間らしい生き方をしたい。だから僕は、近い将来、本気で"資本主義"を変えたいと思っているんです」(前澤氏)

 そのための第一歩として、前澤氏はスタートトゥデイ社員の給料を、同じ肩書きで一律、個人業績給もなし。そして、ボーナスは全社員同額に決めた。給料に差があるのは、あくまで肩書きに応じたものだけだという。

「がんばりとお金を切り離したんです。そもそも、人はお金のために働くんじゃなくて、人の幸せのためだったり、世の中の役に立ったり、そういうことのために働いていると思うので。いま仮に紙幣や経済がなくなったとしても、"自分たちが世の中の役に立っているのか"と考えて行動してみるとか、意識から変えられることもあると思っています」(前澤氏)

 ファッションの"売り方"を変えた同社は、社員の"働き方"まで変えようとしている。


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スナップマガジン『3







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