中国・江蘇省の市街地で、明代のものと思われる女性のミイラが埋葬された棺が発見された。埋葬された女性はほぼ完璧な状態で保存されており、皮膚や器官、さらに眉毛までがきれいに残っていた。中国網などが伝えた。

 ミイラの入った棺が発見されたのは、江蘇省泰州市の工事現場。地下2メートル以上の深さから3つの棺が発見され、そのうち1つの棺に女性のミイラが入っていた。棺の中は茶色の液体で満たされていたものの、布団や衣服の上から紐で縛られた全長約1.5メートルのミイラの保存状態は奇跡と言っても過言ではないほど良好だった。露出している顔面の皮膚や目・鼻・口などの器官、さらに髪の毛や眉毛なども崩れることなく残っており、足のかかと部分は硬直しておらず柔軟性があったという。

 棺の中には腐敗防止の薬草が入っていたというが、「水漬け」の状態で数百年間腐敗することなく保存できた理由について同市の博物館は「棺の水が多かったことでかえって密閉性が保たれ、腐敗を促す微生物や酸素をシャットアウトできたのではないか」と解説している。また、残りの2つの棺からはミイラではなく骨が発見されたことについては「異なる季節や天気のときに埋葬されたと思われる」とした。なお、ミイラの棺からは副葬品や文字の書かれた物品が見つかっておらず、女性がどのような身分であったかは謎に包まれているという。(編集担当:柳川俊之)



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