産経新聞の外信コラムに、ソウル特派員水沼啓子氏による「ソウル発 ネットに潜む“怪物”芸能人の相次ぐ自殺 記者も標的に…」が掲載され、韓国のネット上で物議を醸(かも)している。

 9月7日に報じられた水沼氏の記事では、韓国のネット上に蔓延(まんえん)する著名人への「魔女狩り」的な攻撃について、最近の事例を交えながら紹介。その被害者となった芸能人は時には自ら命を絶つこともあることから、水沼氏は韓国ネットユーザーを「殺傷力をもつ“怪物”」と記している。

 水沼氏は自身もその被害者になったことがあるが、実際に怪物を見ていないので怖くないとし、「韓国語の語感がないので、いくら韓国人に罵詈(ばり)雑言を並べられても、馬の耳に念仏だから…」と少し挑発的な文章で締めくくった。

 韓国のネット上ではこのコラムが掲載されるなり多くのコメントが殺到。「独島が日本の領土だとあり得ない主張をしたかと思ったら、今度は韓国ネチズンの文化について批判している」「他人を大切にすることを知ってこそ、自身も大切にされるものだ。いくら書く事がないからといってこれはないだろう!」と非難する声が多く集まり、複数の韓国メディアも「日、産経新聞“韓国ネチズンは怪物”批判」などと報じた。

 しかし、韓国人ブロガーのサニャングン氏は、沼氏のコラムは正しい分析だと述べる。筆者は、ネット上の書き込みによる特定人物への「人格破壊」はすでに危険水位を超えているが、韓国政府はインターネットの自浄能力や人性教育について消極的であると指摘。健全なインターネット文化に害悪を与え、「表現の自由」だと叫ぶわがままな「怪物」を、ただ眺めているだけなのが現状だと主張する。

 筆者はこれ以上「怪物」による犠牲者を出さないためにも、「健全なインターネット文化のための画期的で断固たる対策を模索しなければならないだろう」と発言。ネットには批判だけでなく、この筆者と同じように、水沼氏の分析は「間違っていない」とするコメントも見られた。(編集担当:新川悠)



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