月曜日、ニューヨーク・タイムズが松井秀喜のロサンゼルス・エンゼルス移籍のニュースを配信した。その後、複数のメディアが関係筋の話として、両者が1年650万ドル(およそ5億8000万円)で基本合意に達したと伝えた。

 エンゼルス、松井ともに公式には認めておらず、メディアからの問い合わせに対して代理人のアーン・テレム氏は「エンゼルスとの交渉は詰めの段階に入っているが、それ以上はいえない」と答えるにとどめていた。

 しかし、松井の父、昌雄氏がインタビューに答えて「ほっとした。こんなに早く決まるとは思っていなかった。新しい環境でプレーする姿を早く見てみたい。新しい松井を見るのが待ち遠しい」と、松井のエンゼルス移籍を認めた。身体検査を待って正式な契約となる見込みだ。

 松井の希望はヤンキースでプレーすることだったが、ヤンキースはジョニー・デイモンとの交渉を優先していた。先週、松井は代理人を通じて、球団側にデイモンとの交渉の行方を待ち続けるつもりはないことを伝えていた。これに対して球団は投手の補強を第一に考えていると返答した。

 デイモンとの交渉の行方を待ち続けて、所属先が決まらないことを嫌った松井がエンゼルスのオファーを受け入れた形だ。

 2010年のヤンキースのホーム開幕戦は奇しくもエンゼルスが対戦相手。ワールドシリーズのチャンピオン・リング贈呈セレモニーはホーム開幕戦で行われることが慣習となっており、松井は新しいユニフォームでこれに参加するものと思われる。

 エンゼルスの所属するアメリカン・リーグ西地区にはマリナーズも入っており、松井対イチローの対戦を楽しみにするファンも多い。ニューヨークのファンは松井の功績だけでなく、野球人としての品格も高く評価しており、一流の野球人、真のヤンキーと評していただけに、今回の移籍を残念がるコメントが多く寄せられている。