23日に放送された「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の企画は「ハンサム芸人」だった。内容はその名の通りハンサムなお笑い芸人が集まってハンサムトークをくり広げるという、お笑い好き女子悶絶必至のもの。芸人にアイドル並みの熱視線が注がれている昨今、待ってましたの企画だったといえよう。

 出演者は企画立案者の「チュートリアル」徳井義実(よしもとリエイティブ・エージェンシー)をはじめ、名立たるハンサム芸人ばかり。特にこの日がアメトーク初出演だった「ハイキングウォーキング」松田洋昌(吉本興業)は、ハンサムがゆえにアメトークに出られたという新進気鋭のハンサム芸人だ。松田は相方である鈴木Q太郎の濃いキャラに押されていまひとつ目立たない存在であったが、これからはそのハンサムぶりで注目されることもあるかもしれない。

 ハンサムという言葉には、曖昧な“格好良い”“素敵”などといった言葉とは違い、明確な定義があるように感じる。その定義でいくと、アメトークにはハンサムか否か、ぎりぎりのライン上に立っている芸人も出演していた。そこで、真のハンサム芸人を私的な見解で選んでみたい。定義といいながらも私的見解という矛盾をはらみ、その上、書いている本人だけが楽しい内容であることを事前にお断りしておく。

 「次長課長」井上聡(吉本興業)。誰もが認める文句なしのハンサム芸人だ。純然たるハンサムという意味では一歩徳井に譲るが、トータル的な格好良さは井上の方が上のように感じる。あの顔で天然というギャップもいい。

 「髭男爵」ひぐち君(サンミュージック企画)。あの衣装を脱ぎ捨て、髪を違う意味で整えればかなりのハンサムだと思うが、いかがだろう。コンビとしての人気はすでに絶頂の感があるが、ひぐち君がハンサム路線に切り替えればそれだけで芸人としての寿命が延びる可能性もゼロではない。ただしその場合、現在の芸風は捨てざるを得ないが。

 「しずる」村上純(吉本興業)。以前、拙コラムでしずるについて『村上、池田ともさほどイケメンでもなく、不細工でもない』と書いたが、訂正させていただきたい。男子としての成長期もとっくに過ぎたであろう村上がなぜか、ここにきて化けた。27歳という年齢に似つかわしくないそのキュートなルックスはハンサムという言葉からは多少ずれているように感じるかもしれないが、しかし確実に、村上はハンサムルートに乗っている。

 「博多華丸・大吉」博多大吉(吉本興業)。地味だのオーラがないだのいわれているが、あの楚々とした一種独特の雰囲気はある種の女性たちの圧倒的な支持を得ているはず。学校や職場で目立たない存在でありながらも実は整った顔立ちをしている異性を好むのは、男性だけの感情ではないのだ。

 そして私がくどいほどにプッシュしている「流れ星」瀧上伸一郎(浅井企画)。スウィートな王子様フェイスからくり出される閃光のツッコミは、まるでマイナスイオンが放出されているかのごとく私を癒す。オフショットでは眼鏡をかけている姿も確認され、それがまた、たまらない。本当にたまらない。二度くり返すほどたまらないのだ。都合三度になってしまった。

 他にもオリラジ藤森やココリコ遠藤、アンジャ渡部、我が家・坪倉など、お笑い界をよく見れば隠れハンサムがあふれている。アメトークスタッフ各位、ぜひともハンサム芸人第二弾を検討してほしい。家電に疎い女性に詳しく解説をするスタンスの「家電芸人」との抱き合わせで放送すれば、かなりの女性票が得られると思う。しかし、家電芸人のように女性ゲストは必要ない。ハンサム芸人はあくまでハンサムの園、といった体でお願いしたい。

 改めて読み返してみると、いつにもまして“チラシの裏”になってしまった。しかもキモい。しかし反省はしていない。うっかり最後まで読んでしまった各々方、野良雌犬にかまれたと思ってどうかご容赦を。

(編集部 三浦ヨーコ)


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