代表戦の期間が終わり、リーグ・アンも18日に再開したが、フランス代表の2試合(11日ルーマニア戦=W杯予選、14日チュニジア=親善試合)で華々しい活躍をとげたヨアン・グルキュフ(ボルドー)が第9節のトゥールーズ戦でも1ゴール、1アシストとチームを引っ張り、メディアの注目を一身に集めている。

 “新しいジダン”と騒がれるグルキュフだが、この試合でもジダンを彷彿とさせるプレーで観衆を魅了した。ペナルティーエリア前での執拗なマークをルーレットでかわして叩き込んだ先制ゴールには、レキップ紙が「ジダンと比べられたくなかったら避けるべきプレー」、「今季のベストゴールのひとつ」と称えている。

 自分と比べられている22歳の若者に対し、「(本人にとっては)うれしいことじゃないね」とかつてプラティニと比べられることを重荷に感じたジダンも同情的だ。「グルキュフはグルキュフだ。比較はやめるべき。何の役にも立たない」とこれから成長していく選手にかかる重圧を懸念している。

 もうひとつ心配されるのは、フランス代表もボルドーも“グルキュフ依存症”にかかろうとしていること。ボルドーのブラン監督は試合後、「ヨアン・グルキュフ? 彼はよかった。ほかの選手のようにね」とグルキュフひとりに注目が集まることを歓迎していないような反応を見せた。グルキュフ本人は、「自分について言われていることに興味はない」と周囲に惑わされぬよう努めているようすがうかがえる。