ロードアイランドの地元紙「プロビデンス・ジャーナル」紙の電子版は、10日付けで、前日9日に先発したレッドソックスの松坂大輔投手についての関連記事を掲載。「球数が多くても、打たれない」の見出しで、負けない右腕を論じている。

「昔のことわざじゃないが、松坂とは“神秘を隠したなぞに包まれた不可思議な人”だ」という書き出し。「入団して2年近いのに、まだまだよく分からない。松坂がマウンドに上がる時、どう期待していいのか、未だに分からない」

 時としてコントロールに苦しみ、走者を出し、球数が多くなり、結果的に早々と降板することが多いものの、決定打を許さない松坂の投球スタイルについては、地元メディアも、論説不可能とお手上げの様子だ。

 松坂は、リーグ第2位の勝率と、リーグ第3位の防御率を引っさげて、レイズ戦に登板したものの、「何かがおかしい」と同記事。「16勝しているにもかかわらず、これまでは、六回以内に降板してしまうことが、ほとんどだった。バカバカしい球数と、効果的ではない内容には、ご苦労様というしかない」と、厳しい評価だ。更に、四球の多さにも苦言。「少なくとも5四球以上出して勝った試合が6試合もあり、これは、メジャーでは、1987年のロビー・ウィット以来であり、レッドソックスの球団史では、1953年のミッキー・マクダーモット以来の珍事だ」と伝えている。8試合連続で100球以上投げているのに、六回以降を投げたのは、わずかに3度しかない、とも。

 一方で、「高望みは、仇になる」とフランコナ監督は松坂を庇っている。「去年、入団した時は、周囲の期待値はアン・フェアなほど高すぎた。どんな内容であれ、彼はこれまで2年で我々に31個の勝利をもたらした投手なんだ。31勝は凄い数字だ。彼は、今の状況をちゃんと理解しているし、改善しようと努めてもいる。だから、私は、いいと思っている」と。

 同記事は、ポストシーズンの先発ローテーションについても言及し、「松坂は先発ローテーションの中での評価を落としているので、ジョン・レスターが二番手となり、松坂は三番手になるだろう」と予想。ポストシーズンの対戦相手となる可能性の高いホワイトソックスや、エンゼルスは“待球型”のチームではなく、「早打ちで悪名が高い」と分析。去年の松坂はリーグ優勝決定戦のエンゼルス戦で五回も持たずに降板し、勝ち負けがつかなかったというデータがあるものの、松坂にとっては、理想的な相手だと言えるだろうと伝えている。

 同記事の締めくくりは、「レ軍ファンなら、先発三番手が16勝も挙げているという事実は、先発の層の厚さを物語るものだが、同時に、松坂は、もう少し良くなるはずなのに…という欲求不満を覚えさせるものでもある」となっている。