26日の「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)を見ただろうか。「クール&セクシー芸人奇跡の1枚」と題し、芸人たちがいかにかっこよく写真に映るかという企画を放送していた。メイクやシチュエーションに凝りに凝り、中には驚くほどの大変身を遂げた芸人も。一枚写真が出るたびにスタジオには歓声があがり、大いに盛り上がっていた。

 ロンハーでは数ヶ月前に女芸人で同様の企画を行っている。その成功に気をよくし、すぐさま男芸人でも同じ企画をやってしまうのはさすがロンハーといったところ。26日の放送では個々の芸人のトーク力に狩野英孝(マセキ芸能社)の“ヒゲメン”、「チュートリアル」徳井義実(吉本興業)の“TOKUI”などロンハーならではのキャラも加わって、ロンハーでしかありえないおもしろさを作り上げていた。仮にこの企画を他の番組でやったとしても、ここまでおもしろいものにはならなかっただろう。

 Wikipediaによるとロンハーは『女尊男卑』なんだそうだ。私には難しいことはわからないが、男目線で作られているなと感じることが多い。奇跡の1枚もそうだが、格付シリーズももともとは女性タレントのみで行ってきたところに男性バージョンが加えられたものだし、とにかく“男”“女”と括りたがる姿勢は男目線であることの現れだと思う。「ペナルティ」ヒデ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)の“サッカーばか蔵”なんて、完全に女性を置いてけぼりにしたものだ。

 では、ロンハーの視聴者層はどうなっているのか。やはりWikipediaによると『女性視聴者の支持拡大』を狙っているとのこと。男目線で女性視聴者が満足するものを作るなどできるのかと考えてしまうが、そのもくろみは成功しているように思える。奇しくも26日、ロンハーのメインMCである「ロンドンブーツ1号2号」田村淳(吉本興業)がとあるイベントでこんなことを言ったそうだ。『個室で20分あればどんな女性でも落とせます』。ひょっとしたらロンハーという番組自体が、女性視聴者を“落として”いるのかもしれない。

 個人的な感想で恐縮だが、私はロンハーの男芸人企画を見るとクラスの男子が教室の隅ではしゃいでいるのを眺めているのに近い感情を覚える。特に過去2回放送された「俺たちのNo.1」のワイワイ感は見ていて非常に楽しかった。どうやら私もロンハーに落とされているようだ。

(編集部 三浦ヨーコ)


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