ヘタフェとのスペイン国王杯決勝を4日後に控えるバレンシアがホーム、メスタージャにラシンを迎えたリーガ32節は1-2でバレンシアが敗れた。この結果、ラシンのマルセリーノ監督はチームをチャンピオンズリーグ出場権争いへ、そしてバレンシアのクーマン監督はチームを降格ゾーンへ。両監督の力の差が出た試合と言えるだろう。

 バレンシアはこれで今シーズン15敗目、ホーム戦では9敗目。暫定で順位を14位にまで下げ、降格圏内の18位サラゴサとの勝ち点差は6ポイント。13日に行われる残りの試合の結果次第では、わずか3ポイント差となり、残留争いに巻き込まれる可能性も出てきた。

「チームは良くなったし、引き分けが妥当な結果だったと思う。相手の2点目はオフサイドだった」と試合後に語ったクーマン監督。自身の将来については明言を避け、「私には契約があるし、それを全うしたい。国王杯で優勝し、あと数ポイント獲得できれば、良いシーズンと言えるだろう」とコメント。

 確かに今シーズン、バレンシアに起こった事から考えれば、国王杯のタイトルを獲得できたら「良し」と言えるのかもしれない。しかし、チャンピオンズリーグの常連チームにまでなったバレンシアがリーガで置かれている状況は危惧すべきものだ。優勝を逃した場合、失望はさらに大きなものとなり、クーマン監督の解任騒ぎも再び熱を帯びそうだ。国王杯優勝はバレンシアにとって大きなプレッシャーとなった。

(スペイン通信)