◇ライト級タイトルマッチ/ショーン・シャーク対ヘルメス・フランカ

試合前は、劣勢が予想された挑戦者のフランカだが、開始早々タックル狙いで低く構えるシャークの顔面に右膝をヒットさせる。 シャークもひるまずタックルで前進しフランカを抱え上げるが、ここでもフランカはギロチンチョークで切り返す。さらに、そのままグラウンドへ移るとフランカの前腕が深くシャークの太い首元に食い込み、大番狂わせの王座交代劇かと場内が一気に沸く。

ここでシャークは苦悶の表情を見せながらも、胴体に巻き付くフランカの足を手で押し下げ、ハーフの体勢に持ち込んで首を抜きエスケープに成功した。そのまましっかりと胸を合わせたシャークは、しぶとく効かせてくるフランカの足を卓越したボディバランスをもって飛び越えてサイドを奪取し、すかさずマウントへ。柔術黒帯のフランカを圧倒する見事なポジショニング力を見せつけたシャークは、サイドに移行し、マット・ヒューズも得意とする両手を封じるポジションを狙うが、フランカも必死に動いて上体を起こして脱出。その後も、パスガードに成功して上から攻めるシャークと、しぶとく抵抗を続けるフランカによる見応えのある攻防が続いた。

2R開始直後、フランカの右のニーキックが、またもタックルを狙ったシャークのアゴにカウンターでヒット! 顔面からマットに崩れ落ちたシャークに対し、フランカはパウンドの雨を降らせるも、タックルで食らいつかれ、再びギロチンチョーク狙いと、1Rと同じような展開へ。その流れは潰えず、シャークは首を抜き、パスからマウントの体勢へ。一瞬の体重移動の隙を付き、リバーサルに成功して上を取り返すフランカだが、強靭な脚力を持つシャークは、下からフランカの腰を蹴り上げ弾き飛ばして上を取り返す。両者の能力が十二分に引き出された一進一退の展開に、試合前の予想を大きく上回る熱戦となり、場内は大きく盛り上がる。

その後のラウンドも、圧巻のテイクダウン力とポジショニング力を見せつけるシャークと、不利な体勢を余儀なくされつつも、諦めずに動き続け凌ぎ続け、ギロチンチョークや足関節、そしてスタンドでの膝攻撃で執念の逆転を狙うフランカによる白熱の攻防が続いた。結局両者は5ラウンドをフルに戦い抜いて判定へ。3−0(二人が50−45、一人が49−46)でシャークが初防衛に成功した。試合後シャークは「フィニッシュしたかったんだけど、フランカは素晴らしい柔術家で、簡単じゃなかった。一度引退した自分が、世界タイトルを獲得できるなんて想像できなかったよ。だから今後も狂ったようにトレーニングをして、できる限り長くこのベルトを保持するつもりさ。今日はレスリングと柔術のいいコンビネーションを見せられたと思う」と語り、最後に亡くなった友人にこの試合を捧げた。

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