2019年12月から流行が続いている新型コロナウイルスについて、オランダに本社を置く国際的通信社のBNO Newsが世界の公的機関や報道機関の情報を基に、感染が確認された場所と感染者数を視覚的に把握できるマップ「BNO Noticias Coronavirus tracker」を公開しました。

Tracking coronavirus: Map, data and timeline - BNO News

https://bnonews.com/index.php/2020/02/the-latest-coronavirus-cases/

「BNO Noticias Coronavirus tracker」はGoogleマップ上に、アメリカ疾病予防管理センターや中国国家衛生健康委員会などの感染症に関する公的機関の発表や、NHKなどの報道機関各社の報道を元にした情報を表示したもの。マップを見ると、感染源の中国の周辺以外にも、アメリカやEU、イランで多数の症例が報告されていることが視覚的にわかります。



マップ左下の+/−アイコンで拡大/縮小が可能で、東アジアを拡大するとこんな感じ。黒丸は1000以上の症例が報告された都市を意味しており、紫丸は100以上の症例が報告された都市、赤丸は20以上の症例が報告された報告された都市、オレンジ色は報告された症例が20件未満の都市です。発生源とされる武漢市の位置する湖北省には、丸形と四角形のアイコンが混在していますが、四角形のアイコンは死者が出ていることを示しています。



それぞれのアイコンをクリックすると、その都市の感染者数や症例報告などの詳細を見ることが可能。今回は武漢市の情報を見てみることにしました。



「name」の項では、[国名 - 総感染者数/死者数]という形で情報が表記されています。武漢市は記事作成時点での総感染者数が4万6201人、死者数が1856人であることがわかります。



「description」の項目では、症例報告やその都市で実施された施策などがまとめられています。武漢市の場合、最初に記されているのは2019年12月30日に報告された「原因不明の肺炎に対する処置に関する緊急通告」というもの。これは武漢市の病院に勤務していた医師の李文亮氏が、新型コロナウイルスに対して警鐘を鳴らすべく発表した文書。なお、李文亮氏は2020年2月6日に新型コロナウイルスによって命を落としています。



対策に当たっていた保健省の次官や、国会議員までも新型コロナウイルスに感染したというイランでも感染で広がっていることが一目でわかります。



アメリカ国内で感染報告が多いカリフォルニア州のサンフランシスコ市は、新型コロナウイルスに対する非常事態宣言を2020年2月27日に出しました。



今度は日本のマップを見てみます。国内での症例報告は東京周辺や関西、北海道などが主。



東京近郊を拡大するとこんな感じ。四角形のアイコンがある神奈川県相模原市では、新型コロナウイルスに感染していた80代の女性が2020年2月13日に亡くなっています。



横浜市近くの「感染者100人超」を意味する紫色アイコンをクリックすると、ダイアモンドプリンセス号の情報が表示されました。イギリスの船舶会社P&Oが所有しアメリカのクルーズ客船運航会社カーニバル・コーポレーションが運航するダイヤモンドプリンセス号では新型コロナウイルスの感染者が発見されており、日本政府の対応も含めて国内外の注目を集めました。



ダイヤモンドプリンセス号の乗客・乗船で感染が確認されたのは691人、死者は4人。感染者のうち380人は感染発覚時点で無症状でした。なお、船内で業務を行っていた厚生労働省の職員および検疫官の感染はダイヤモンド号の感染者数としてカウントされていません。WHOはダイヤモンドプリンセス号における感染の発端は日本上陸前のため、当該船舶内の感染者数は日本国内で発生したとは計上していません。日本政府もこの見解に沿って、国内の感染者とはカウントしていません。

「BNO Noticias Coronavirus tracker」の他にも、BNO Newsは世界各国で確認された新型コロナウイルス感染者の情報をタイムライン形式でまとめたリストも公開しています。

TIMELINE: Coronavirus epidemic - BNO News

https://bnonews.com/index.php/2020/01/timeline-coronavirus-epidemic/