ふとテレビをつけると、言葉はわからないのに、なぜかデジャビュを覚える内容が……。そう、ここは韓国。番組は、我々が慣れ親しんだ日本の人気番組に、そっくりだったのだ。

「芸能人がひな壇で自身の仰天エピソードを告白したり、容姿にコンプレックスを持つ女性が整形手術を受けて、劇的に変身したり……。思わず『それって』と突っ込まずにはいられない番組は、過去にもありました」

 そう語るのは、1年間、ソウルで暮らした経験を持つ韓国テレビウオッチャーのYさん。では韓国と日本の番組の違いは?

「バラエティ番組に関していうと、芸能人自体のトーク力は、日本のほうが高いように思います。韓国では、画面に字幕だけでなく、ハートマークや汗のアイコンなど、『スタンプ』がとにかくたくさん使われているんです。

 つまり、番組は『編集』で盛り上げるのがお約束。だから、バラエティ慣れしていないアイドルや俳優だけでも、進行できる番組が多いんです」

「パクリ」についても、日本とは感覚の違いがあるという。

「パクリ=悪いことではなく『いいものを共有する』という意識なんです。ひとつが流行れば、それが100に増える。その瞬発力やスピードが、とても速いんです」

 パクられるのは「いいもの」と認められた証拠かもしれない。以下で、「どこかで見た感」満点の、“パクリ番組” を紹介しよう!

(1)『HEART SIGNAL』/放送局:Channel A

 大学生、弁護士、女優の卵など、男女が1カ月間の共同生活を通じ恋のお相手を見つける「恋愛観察バラエティ」。参加者は素人だが、ハイスペックな美男美女ばかり。彼らが生活をともにするのは、「シグナルハウス」と呼ばれる、おしゃれすぎる家……。

 よく似た設定の番組を知っているような気もするが、こちらの番組では毎日、0時に匿名で意中の相手にメールを送るコーナーがある。スタジオの芸能人たちはVTRを見て、誰と誰がくっつくか予想、正解するとポイントがもらえるというゲーム要素がプラスされている。

 2017年スタートのシーズン1から話題になり、韓国では恋愛番組が急増した。シーズン2も大盛況で、2019年下半期にはシーズン3の放送が予定されている。

(2)『一食ください』/放送局:JTBC

 おじさん芸人がアポなしで一般家庭にお邪魔し、夕食を紹介! となると、トレードマークは大きなしゃもじ……と思いきや、ここは韓国。食卓に欠かせない「スッカラッ」=スプーンを持って “突撃” するのだ。

 おじさん芸人は、カン・ホドンとイ・ギョンギュという、韓国の大御所コメディアン2人。彼らとペアを組むゲストは、東京ドーム公演の常連である人気男性デュオや、『紅白』出場も果たした9人組ガールズグループなど、超一流の芸能人。

 ゲストがインターホン越しにたどたどしく交渉する姿が、新鮮でおもしろいと評判を呼んでいる。手料理をご馳走してくれた家族と食卓を囲み、夫婦の馴れ初めなどのエピソードを語らうほのぼのシーンは、どの国も変わらない。