ソロデビュー2年目を迎えた、鈴木愛理さん

写真拡大

昨年、「鈴木愛理を、知っていますか?」の印象的なCMでソロデビューが話題になった、元・アイドルグループ℃-uteの鈴木愛理さんが、5月22日に2018年度のライブツアー『鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 “PARALLEL DATE”』のBlu-ray&DVDを発売し、5月25日からは2019年度の全国ツアー『鈴木愛理 LIVE 2019 "Escape″』をスタートする。菊地最愛さん(BABYMETAL)、渡邉幸愛さん(SUPER☆GiRLS)や、山本彩さん(元NMB48)からも注目され、ファッション誌『Ray』(主婦の友社)の専属モデルとしても活躍する「アイドルが憧れるアイドル」と呼ばれる鈴木愛理さんに、音楽関係者からも定評のあるライブ力の源と、今回のツアーの制作秘話、Blu-ray&DVDの見どころ、2年目の意気込みを語ってもらった。

【画像】キュートなツインテール姿の鈴木愛理ポートレイト

■ 「自分でも知らない自分を引っ張り出せるのが、音楽ならうれしい」

――2018年6月にソロ活動をスタートされて、それまでと心境の変化はありましたか。

【鈴木愛理】アイドルの時は、℃-ute(キュート)という世界観のなかに鈴木愛理として存在していたので、その世界観に入って歌うことが多かったです。ソロになってからは、鈴木愛理という個人を出していく歌い方をしたいと、すごく感じていて。人間味を出す… というのでしょうか。

――自分自身で感じている、鈴木愛理さんとは、どんな方なのでしょうか。

【鈴木愛理】わからないんですよ、それが(笑)。わからないから引き出してみたいのかな。自分でも知らない自分を引っ張り出せるのが音楽であればいいなと思っています。それって、こういう風にすれば出る、ということではないと思うんです。まっすぐに純粋無垢に音楽を楽しむことで、25年間生きてきた私の人間性みたいなものが漏れてくるのかもしれません。いつか、そんな私らしさが“ダダ漏れ”の歌を歌ってみたいです(笑)。

――ソロ活動をされるにあたって、変化はありましたか。

【鈴木愛理】15年間アイドルとして活動してきたので、そのころからファンでいてくださった方々が、ソロになって、たとえばまったく笑わない私が出てきたらビックリするじゃないですか(笑)。私がファンだったら、笑顔の愛理ちゃんを見たかったな、と冷めちゃうかもしれないと思って。これまで大事にしてきたものを、全部手放す必要はないのかなと思いました。新しいことも始めながら、いままでの感覚も忘れないようにしています。

――2019年に向けては、いかがでしょうか。

【鈴木愛理】2019年はソロ2年目になるので、少し新しいことに挑戦する量を増やしたいと思っています。色々な仕事をさせていただくなかで、色々な出会いがあって、個性や人間性を自由に表現されている方が、音楽の世界に限らず多くいらしたので、それって何かカッコイイなって。飾らないというか… もちろん、飾った方がかっこいいシーンもあるので、飾ることも忘れちゃいけないなと思うんですけど、飾らないということができるようになれば、またひとつ何か、自分でも知らない壁を超えられるんじゃないかなと思っています。

――ソロになられたタイミングで、アイドルを完全に卒業される方もいますがどう思いますか。

【鈴木愛理】アイドルをやってきた15年間は、間違いなく私の人生のなかでは誇れる15年間だったので、それを捨てるということは私にはできないですし、する必要もないと思っています。すごく大事な出会いや、得たものもたくさんあるので、ちゃんと背負いながら新しいことに挑戦していきたいです。それで前の方がよかったと言われてしまったら、悲しいですけど、挑戦しているので、それも覚悟しながら新しいことにチャレンジしています。

――ライブのセットリストも、そういう気持ちが込められているのですね。

【鈴木愛理】私がひとりでライブをするなら、こういうライブがしたいです… と、会社のスタッフにきちんと伝えました。歌が好きだからこそ、中途半端になるなら歌はもうやりたくないと思いました。

■ ライブを自己プロデュース。「"パラレルデート″で彼氏目線みたいな錯覚空間を」

――5月22日に、2018年度のライブツアーのBlu-ray&DVDが発売されます。

【鈴木愛理】2018年の"パラレルデート″(鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 "PARALLEL DATE″)では、私のやりたかったライブをカタチにさせていただきました。ライブに行って、現実の何かをいい意味で忘れられるというか、違う空間に入った感じで楽しめる場所にしたいなって。"パラレルデート″というのは造語で、私が思いついて付けた言葉なんですけど、ライブを通して彼氏目線みたいな錯覚を起こしていくような、でもそれは全部夢だったんだみたいな。最終的には、ちゃんと現実に戻って帰れるツアーにしたかったんです。

――余韻を残して帰れるような感じですね。

【鈴木愛理】ファンのみなさんのSNSでは「ライブ行ってきた」ではなくて、「愛理ちゃんとデートしてきた」みたいな投稿が多くて、うれしかったです。私的には、ツアーのタイトルが本の題名みたいな感じだったらいいなと思っていて、ツアーをひとつのパッケージ化したいという気持ちがすごくあります。"パラレルデート″でも、アンコールまではパーソナルな鈴木愛理的な会話は一切なくて、つくり込んだ世界のなかでの会話しかなくて、アンコールでやっと素の私がしゃべるという構成になっているので、その辺も映像で見てもらえたらうれしいです。ステージ上で歌っている私と、事前収録した映像がどちらもつかわれていて、切り替わったり。ライブだと、それをモニターとステージ上と一緒に見るのが難しいじゃないですか。そういう点も、うまく一緒に見えるようにつくってもらいました。

――パッケージのジャケット写真も、そんな世界観を表しているのですね。

【鈴木愛理】はい。ライブ中に使われた映像の写真があったり、この衣装で実際にライブに登場していたり、パンフレット持って帰った時に「あ、愛理ちゃんとデートした時の思い出の写真だ」みたいに、全部が紐づくようにつくりました。結構、時間かかりました(笑)。

――プロデューサー的ですね。

【鈴木愛理】たくさん考えました!ライブの映像だけだとデート感が薄まってしまうので、デートの思い出写真みたいなものをコラージュしてデザインしたり。

――楽しそうなジャケットになっていますね。表情もいろいろあって。

【鈴木愛理】本当ですか、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。私のチカラだけで、皆さんを癒したり元気づけたりできるか謎なんですけど(笑)。見たら、きっと笑顔になれると思います!

■ 「実はド直球に私が逃げるライブを考えています(笑)」

――2019年のライブツアー(鈴木愛理 LIVE 2019 "Escape″)では、さらにパワーアップされて全国を回られますね。

【鈴木愛理】そうですね。圧倒的に違うのは会場のサイズが違っていて、ホールになると天井が高いのでできる演出が増えてくるというのがあって、前回あきらめた演出もあたためています。今回は、2019年の年が明けて、すぐに打ち合わせをさせていただきました。私のイメージでは、私がやろうとしていることは時間がかかることばかりなので(笑)。やれるかやれないか、ギリギリで打ち合わせたくなかったんです。

――半年前から、動きはじめたわけですね。

【鈴木愛理】いろいろ案が出た後に、1回ゼロに戻したタイミングもありました。いろいろ考えてたらアレ?って。この演出ができないなら、これをやる意味がない、中途半端になるなら全部やめません?って。グッズも、ライブの演出に関わってくるグッズをつくっています。まだ上手く言えないんですけど、前回のようなパッケージ化されているライブです。グッズのイラストも、私が大好きなブランドのイラストレーターさんに書いてもらったんですけど、その絵がライブの基調にもなっていて、すごいキーになってくる絵です。

――ゲーム的な演出になる可能性もある、ということでしょうか。

【鈴木愛理】そういう演出になればいいなと思っています。まさかの!みたいな。ライブの内容とグッズのデザインがリンクしている、とか。かわいいだけじゃなくて、それをつかうことでライブに参加できるようなものにしたいと考えています。

――ツアータイトル"エスケープ″の意味も教えてください。

【鈴木愛理】ファンの皆さんは「愛理ちゃんが現実逃避の世界に連れてってくれる」と予想されていると思うんですけど、実はそういう意味ではなくて、ド直球に私が逃げるライブを考えています。皆さんが現実逃避しに来るんじゃなくて、私が逃げるのをファンの皆さんが捕まえに来る… みたいな(笑)。

――それは楽しそうですね。新曲もたくさん演奏されるのでしょうか。

【鈴木愛理】新曲、たくさん演奏します!パラレルデートの時も新曲たくさんやったのですが、まだ音源化されていない曲が多くて、お待たせしてしまってます。今回は、パラレルデートの映像を見て、予習してからライブに来ても、まだ新曲があるので、楽しんでもらえたらいいなと思います。それと、ツアー中に会場で、うれしいお知らせができるかもしれません。まだ詳しくは言えないんですけど、色々あります。これだけリリースのインターバルが空いているので、そりゃ色々と情報あるよって!ぜひ会場で、発表の瞬間を体験してほしいです。私もワクワクしてます!

――衣装については、いかがでしょうか。

【鈴木愛理】スタイリストさんとの話し合いは終わっていて、だいたいの方向性は決まっています。かっこいいか、かわいいかで言えば、ちょっとカッコイイ系になると思います。でも、それしか見れないよ、というライブではないです。逃げるには、色々と変装しなきゃだよねって(笑)。

――ホールでのライブだと、お客さんの熱量なども違うでしょうか。

【鈴木愛理】席がある、というのがやっぱり違うと思います。ライブハウスだと全員立ちなので。それぞれの良さがあると思うんですけど、私が見えなかった、ということはないと思います!ステージのうえから見える景色も変わってくるので、だいぶ緊張しています。昔から、ホールの方が緊張するんですよね。なんか、ザ・ショーみたいな感じで(笑)。

――楽しみだけど、緊張もする、ということですね。

【鈴木愛理】まだリハもはじまっていないんですよー。本当にどうなるんだろう…。℃-uteの時に行ったことのある会場もあるんですけど、景色を知っているからこそ、逆に緊張すると思うんです。ソロのライブでステージに立った時に、どんな景色になっているいんだろう、とか。でも、たのしみな気持ちの方が勝っているので、皆さんたのしみにしていてください!お待たせしてしまっていますが、もう間も無く情報が出てくると思うので。

■ 「自分を持っていたり、ストイックに何かを極めようとしている人に惹かれます」

――女性ファンも多いと思います。何かメッセージがあれば。

【鈴木愛理】女性ファンの方の反応が、楽しみでもあります。最近は、ちょうどファンの男女比が半々くらいになってきたので、どちらも楽しめるライブにしたいなと思っています。かわいい子が多いので、私も負けないようにしないと!

――どんなところが女性に支持されていると思われますか。

【鈴木愛理】私も教えてほしいんですよー。でも、私が女性の方にあこがれを抱く時は、自分を持っていたり、ストイックに何かを極めようとされている方に惹かれるので、それがすごく顔にあらわれていると思うんです。輝きになっているというか。それがあこがれの対象になることが多いので、そういう風に思ってもらえたらうれしいです。

――ツアーに向けて、コンディションづくりは何か意識されていますか。

【鈴木愛理】ボディメイクで、ジムに通い始めようと思っています。25歳になったので、今まであまりエステとかには行ったことがなかったんですけど、何か少し挑戦してみようかな、と。色々意欲がわいている時期なので、色々やってみたいです。女性らしい、やわらかくてしなやかな身体。私、℃-uteを解散してからお腹を出していないんですよ。だから出す時期がくるまでに鍛えておきます(笑)。

――最後に、今後の芸能活動についても教えてください。

【鈴木愛理】最近、自分自身が何かを表現していくことが好きなんだと、改めて感じています。自分自身の考えが世の中に出ていくということに、責任も感じますけど、楽しみだったり、共有できるよろこびだったり、感じることもすごく増えたので。新しい情報をキャッチするアンテナの電波を閉じないように、常におもしろいことができるように、まだまだやったことのないことがいっぱいあるので、失敗を恐れず、イノシシに負けないくらい猪突猛進でやっていきたいと思っています!

――ツアータイトルはエスケープです。

【鈴木愛理】いっぱい捕まえに来てください(笑)!

撮影=石塚雅人 取材・文=千葉由知(ribelo visualworks) 衣装協力=CHERIE/Harumi Showroom(ストライプキャミワンピース)、貼るだけピアスPiPPi®/LeAnge/CCCM(イヤリング)、CAMILLE BIS RANDA(レースアップシューズ)(東京ウォーカー(全国版)・ウォーカープラス/野木原晃一)