17日放送、MBS「戦え!スポーツ内閣」に、昨年で現役引退した元プロ野球選手の新井貴浩氏が出演。多くの人に愛されたキャラクターに迫った。

通算2203安打、319本塁打、打率.278という記録で、20年にわたるプロ生活に終止符を打った新井氏。現役時代は開幕前に緊張していたが、ことしは「ワクワクしながら」開幕を迎えたという・

キャンプがなかったことには、「すごいうれしい」と満面の笑顔に。「練習が好きなタイプではない」「やらないといけないと思ってやっていただけ」と明かし、「今はすごい解放感」と述べた。

だが、新井氏が愛されたのは、野球に対して真摯な姿勢だったからだ。例えば、阪神タイガース時代の同僚である能見篤史は、ピンチの際に新井氏が声をかけに来てくれたが、「良い球いってる」「お前なら大丈夫」と、「くそ真面目」な“助言”ばかりだったと明かす。

VTRで「大丈夫じゃないからピンチになってる」「そういうことは求めてない」と話し、笑いを誘った能見に対し、新井氏はアドバイスをするというより、間をあけようとしただけだと主張。声かけ後の結果は悪くなかったはずだとし、「心外だ」と笑った。

また、中学や高校の同級生は、少年時代の新井氏が「ちょいちょい悪さ」もしたと明かしたうえで、「不器用ながら誰よりも努力する姿」を見せ続けたことに「尊敬する」とコメント。「最後まで全力で一塁まで走る姿は新井らしい。その姿は中学時代から変わらない」と振り返った。

真面目だからこそ、フリーエージェントで広島東洋カープから阪神に移籍したときは、会見で涙も流した。広島への愛が振り切れず、FA宣言して退路を断ったのだという。

移籍後、広島との試合でブーイングされたときも「わかる、その気持ち」「ごめんね」という感情だったそうだ。死球を受けた際には球場が沸いたが、新井氏は「それも分かる」と思ったと明かした。

それだけに、「帰っちゃいけないと思っていた」という広島への復帰は、移籍したときと同じくらいに悩んだそうだ。後押ししたのは、黒田博樹。「戻りたいですけど戻れないです」と言った新井氏に、「いいから帰ってこい」と復帰を呼びかけたという。

復帰を決めても、「応援されなくても、ブーイングされても、しょうがない」という気持ちだったという新井氏。だが、復帰後初打席ではスタンドから大歓声が起きた。もともと「マイナス」の心理状態だっただけに、新井氏は「足が震えて口が乾いていた」と明かした。

最後に、広島と大阪のお好み焼きではどちらを選ぶか問われると、新井氏は「どっちも好き」と強調。悩んだ末に、最後に食べるなら「小さいころから食べていた広島焼」と答えた。