20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいる。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内の通信会社で経理の仕事をしている江口貴子さん(仮名・37歳)。鎖骨まであるきれいに整えられた茶色のストレートヘアに、上品さを感じるひざ丈のワンピースを上手に着こなしています。カバンの中もきれいに整頓され、派手すぎない化粧やネイルなどから、上品な女性の雰囲気を感じます。一見本命彼女になりそうな、そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は東京都の西のエリアで、両親との3人家族です。父親はサラリーマン、母親は専業主婦です。私は両親が40歳手前の遅い子どもだったので、とにかく溺愛されていました。両親とも厳しかった記憶なんてまったくありません。近くに父方の祖父母もいて、私は初孫だったこともあり、欲しいものは何でも買ってもらっていました。そこまで裕福ではなかったはずなんですがね。私もあのまま大きくなっていたらきっとわがままに育ったと思いますが、しっかりしていた友人に恵まれたこともあり、特に親を困らせたことなんてなく、真面目な学生生活を過ごしましたね」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「高校3年生の卒業間近の時です。ずっと片思いしていた他クラスの男子でした。彼とは1、2年で同じクラスになり、いつからか好きになっていました。でも告白なんてできないまま、3年でクラスが別れてしまい、このまま卒業かと思っていた時に、彼から告白して来てくれたんです。どうやら私の友人のおせっかいで私が彼のことをずっと好きなことを知って、自分も好きだったから告白してきてくれたみたいです。お互い受け身で消極的な部分が似ていて、一緒にいるとすごく楽でした。大学は別々だったんですが、大学進学後も彼とのお付き合いは続きました」

彼は大学へ、彼女は短大へ進学と別々も、順調に付き合いは続いたそうです。

「彼とのお付き合いは、高校を卒業してからも続きました。彼は大学、私は短大へ進学したので、会えるのは平日の夜か、土日だけだったんですが、会える時はとにかくいつも一緒にいましたね。短大では付き合いが悪いと言われてしまい、仲の良い友達はできなかったです。それでも彼といたかったので。お互い浮気の心配もなく、大きなケンカもなく、平和そのものでした。お互い実家だったので、付き合ってすぐに親の公認にもなり、どちらかの家で晩御飯を食べることも多かったです。

その関係は私が卒業して就職してからも続きました。就職先はスポーツブランドの事務の仕事です。最初は仕事に慣れるまではバタバタしてしまい、彼との時間をおろそかにしてしまっていたんですが、半年ほどで仕事に慣れたこともあり、そこからは休みの日はずっと彼と一緒にいる生活に戻りましたね。彼はとにかく穏やかな人で、仕事の愚痴などもすべて聞いてくれていました」

大学生の彼よりも、社会人の年上男性に心が傾く

その後、2人の付き合いは貴子さんの職場の男性が現れたことで一変します。

「私に、職場で気になる人ができてしまったんです。その人は営業部の4歳年上の人で、普段はまったく接点がない人でした。でも、私と同じ事務の先輩と、営業部の彼の先輩が結婚することになって、彼と一緒に結婚式の準備をすることになったんです。社内の人たちにコメントをもらうためにビデオを撮ったり、2人の学生時代の友人たちに話を聞きに行ったりもしました。その間に密に連絡を取るようになり、何事にも真面目に取り組む姿に惹かれてしまったんです。一緒に飲みに行った時に、その人に彼氏の有無を聞かれたんですが、とっさに『いません』って言ってしまったんです……。一気に罪悪感でいっぱいになりました。でもその瞬間に、彼よりもその人のほうが好きになっていることに気付いたんです。

どうしても黙っておくことができなくなり、彼にお別れを言いました。彼はまだ大学4年で、私に社会人の好きな人ができたと伝えたら、あっさりと受け入れてくれました。彼は就職活動に苦労していて、社会人であるその人に劣等感を感じていたみたいです。そして、結婚式の2次会終わりで職場の彼に告白をしました。返事はまさかのOKで、嬉しくてたまらなかったです。でも、彼の一部しか見ていなかったんです。すべての男性が元彼のように情の深い人だと勘違いしていたのかもしれません……」

結婚式の準備を一緒に行なった、4歳上の真面目な男性に惹かれていった貴子さんでしたが……。

職場の彼との新しい恋愛。順調に進むと思われたお付き合いは、彼女の家庭事情から変わっていきます。〜その2〜に続きます。