多くの中国人は、日本に来ると日本人の「不用心さ」に驚くようだ。日本では鞄からスマホなどの貴重品が見えていたり、ズボンのポケットに財布を入れていたりする人を見かけることがあるが、日本でスリに遭うことはそう多くはない。(イメージ写真提供:123RF)

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 多くの中国人は、日本に来ると日本人の「不用心さ」に驚くようだ。日本では鞄からスマホなどの貴重品が見えていたり、ズボンのポケットに財布を入れていたりする人を見かけることがあるが、日本でスリに遭うことはそう多くはない。

 これらは日本の治安の良さを示す事例ではあるが、日本では中国に比べて窃盗事件やスリの被害に遭う可能性は低いと言えるだろう。中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本人はなぜモノを盗まないのか」と疑問を投げかける記事を掲載し、日本と中国の窃盗に関する違いを分析する記事を掲載した。

 記事は、日本人は性善説に基づいて暮らしており、「自分が盗まないから、ほかの人も盗まないと思っている」という見方があることを紹介。しかし、日本には本当に「泥棒がいない」のだろうか。記事は、日本に泥棒がいないわけではないが「非常に少ない」とし、その理由について、日本では貧富の差がとても小さく、学生のアルバイトでも中国のホワイトカラーより多く稼げるからだと分析した。

 別の理由として、「法律」の厳しさを指摘した。例えば、ある寺の無縁地蔵前に置かれていた賽銭10円を盗んだという罪で、1年の実刑判決が下った実例があると紹介。日本では、窃盗罪に対して10年以下の懲役または50万円以下の罰金が処せられることになっているものの、こうしたケースでの実刑判決はまれな例と言えるが、たとえ10円でも窃盗は窃盗ということだろう。

 記事は、「日本では窃盗罪に対する処罰が相当重い」、また「日本人の窃盗という行為への一切許容しない態度」が表れていると結論付け、「窃盗行為が盛んな」中国は、日本に学ぶべきだとした。

 中国の窃盗関連の犯罪はあまりに日常的で、その技術も高い。中国と比べたら、日本は泥棒のいない天国だと感じるのも当然だろう。まずは、たとえ少額であっても窃盗は犯罪であることを自覚するところから始めるべきなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)