25日放送、フジテレビ「スポーツジャングル」では、北京五輪に出場し男子400mメドレーリレーで銅メダルを獲得した元競泳選手・宮下純一氏がゲスト出演。「水着の進化が止まらない」と題し、競泳用水着の変遷を説明した。

競泳のイメージってよく日本記録とか世界記録がポンポン出るっていうイメージないですか?」と周囲に尋ねた宮下氏は、「これ、水着の急激な進化がもたらしている」と結論付けた。

水着の面積が小さいほど水の抵抗が少なくなるという考え方から、ブーメランタイプが主流となった1990年代について「僕もSサイズを履いていた。普通でもMを履くんですけど」という宮下氏は、「それでも速くなりたいからSS(サイズ)を履いたり。メッチャ小さいんで半ケツが見えてる。でもそれがトレンド。タイムを出すために小さい水着を履こうという時代が続いた」と振り返った。

だが、これまであった水着の面積を小さくするといった考え方から脱却し、様々な改良がもたらされると、2000年のシドニー五輪では13もの世界記録が更新された他、2004年には撥水加工やフィット感、水着の凹凸を工夫することで流水抵抗を少なくしたエールブルー(デサント)が話題となった。

さらに「激震が走ったのが2008年の北京五輪」と続けた宮田氏は、自身も着用したレーザー・レーサー(SPEEDO)を紹介。当時履いたという水着を掲げると、その小ささには他のスタジオゲストも驚きを隠せず。「これを僕が履くんですよ。子供服のサイズ。伸びないんですよ」と続けた宮下氏は、「これを少しずつ伸ばしながら履く。男子でこれで30分以上かかる。泳ぐのは1分なのに。女子はプラス背中の部分があるので手伝ってもらって1時間弱かかる」などと語った。

実際、北京五輪では25個の世界新記録が生まれ、うち23個は同水着を着用したもの。その効果は言うまでもなく、宮下氏は「社会人になって3年間で0.3秒やっと伸ばしたんですけど、水着(レーザー・レーサー)を履いてさらに0.5秒伸びた」とも。

だが、レーザー・レーサーは2010年に着用禁止に。この経緯に触れた宮下氏は「ちょっとずつ進化を続けていれば認められていた水着だと思うんですけど、これだけ上がっちゃうと道具のドーピングなんじゃないかっていうのが出てきた」と振り返ると、「ドーピング検査なんかも水泳の選手は時間がかかる。一度レース前に水着履くのがめんどくさいから出しちゃってるんで、その後、おしっこが出るのを待たなきゃいけない」といった裏話を披露した。