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週に2日、低炭水化物・低カロリーの食品を、残りの5日間は通常の健康的な地中海スタイルの食事を食べる「5:2ダイエット」を実行することで、女性は乳がんのリスクを減らせる可能性があることが新たな研究で判明した。

海外のさまざまなニュースを紹介する「Mail Online」にこのほど、「週に2日のダイエット乳がんリスクを減らすことの関係性」にまつわるコラムが掲載された。

5:2ダイエット乳がん慈善団体ジェネシスのリサーチ栄養士のミッシェル・ハーヴィー博士が開発したものだ。同ダイエットによって乳がんの発症リスクが下がる理由として、乳房組織においてがんを予防する変化が起こるとする説もあれば、ダイエットによって乳房の細胞に到達する糖分の量が減り、乳房の細胞分裂の頻度が少なくなり、がんになる可能性が減少するという説もある。

研究は乳がんになるリスクが高い、体重が重めで閉経前の20名の女性を対象に実施。この5:2ダイエットを1カ月間継続してもらい、その経過を観察した。その結果、参加女性は平均3kgの体重減少が見られ、55%の女性が乳腺細胞の変化を経験した。このような変化によって細胞が安定し、ダメージを受けにくくするたんぱく質が生成される結果、乳がんの発症リスクが低減するとのこと。

低炭水化物・低カロリーの食品の一例として、「イチゴ、バナナと牛乳のスムージー」「マッシュルーム、玉ねぎなどを含むケバブ」「バルサミコ酢とにんにくを使ったきのこのソテー」などがある。

「減量によって乳がんのような疾病のリスクを下げることができることは分かっています」とハーヴィー博士は話す。一方で、乳腺細胞の変化を経験しなかった女性がいた理由について「ダイエット期間が短かった」などの複数の理由があるとしている。

今回の結果に関し、慈善団体ブレスト・キャンサー・ナウのエルネッド・ヒューズ氏は「乳がんのリスクの高い女性がダイエットによって発症率を下げることができるか否かは興味深い問題」と一定の理解を示したものの、「5:2ダイエットが最適の方法だと示唆するには、今回の研究はあまりに小規模だ」とも付け加えている。

歌舞伎俳優・市川海老蔵さんが、妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんを患っていることを明らかにしたのは記憶に新しい。芸能界をはじめ、乳がんと闘っている女性は多い。今後、ダイエット乳がんのリスクの関係に関する研究の進展が待たれる。

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○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

(杉田米行)