TBS「バース・デイ」(4日放送分)では「プロ野球史上2人目の1億円選手が・・・意外な転身――」と題し、元プロ野球選手で横浜大洋ホエールズやオリックス・ブルーウェーブに所属した水尾嘉孝氏(48)の現在を伝えた。

福井工大のエースとして日米大学野球でも活躍した水尾氏は、1990年に横浜大洋ホエールズからドラフト1位指名を受けると、野茂英雄氏に継ぐ契約金1億円で入団した。しかし、持病の腰痛により1年目を棒に振ると2年目以降は勝利ゼロ。ファンからは「契約金泥棒」などと野次られた。

「“おい、ミリオン”とか“契約金泥棒”とかそんな声もありましたが、その原因は僕が期待されて入ったのにその期待に応えられないっていうそこから全てが始まっている。自業自得なんです」。水尾氏は番組のカメラにこう切り出した。

その後、トレードで移ったオリックスではセットアッパーとして活躍するも、37歳で現役を引退。現在は自由が丘でイタリアンレストラン『トラットリア・ジョカトーレ』のオーナーシェフを務めている。

料理経験はないものの、37歳から洋食店で修行を始めた水尾氏は39歳で調理師免許を取得。42歳で自分の店をオープンした際には、手をつけずにいた自分の契約金から開店資金4000万円を捻出したという。飲食店を選んだのは「野球は自分なりにはやるだけのことをやったつもりはあるんですが、自由契約になったり、次は自分の意思で生涯向き合える仕事にしたい」といった理由だ。

オーナーながら開店前の準備を一人でこなし経費を節約するなど、まさに日々の努力により自身の店を人気店へと押し上げた水尾氏。今後の目標を訊かれると「契約金泥棒とか色んなことを言われてお客様を裏切ることが多かったのでこのお店ではお客様を裏切ることなく、いつも笑顔で帰って頂けるように。そんな店作りを目指しています」と静かな口調で語った。