人生の超絶モテ期だった若かりし過去のファッション&メークの呪縛から逃れられない先輩OLに痛々しさを感じるアラサーは多いが……。

今回は、職場の同性の先輩との付き合い方についてです。

「うちの部署に40代の独身女性がいます。もともと美人で仕事もできる方なのですが、ここ数年彼氏がおらず、合コンしたいとうるさいんです。で、何度かセッティングしたのですが、いつものカッコいいパンツスタイルから一転、フリルのブラウスにふんわりスカートといった、20代の合コンファッションになっちゃう。若作り感が痛くてハラハラします。大好きな先輩なだけに、それじゃないよと教えてあげたいんですが、どう言っていいのかわかりません」(銀行勤務 29歳)

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職場は仕事をする場です。もちろん社内の円滑なコミュニケーションは、業績アップのために必須のもの。でも、勤務時間外の「お友達」づきあいは、それが本当にあなたの業務に有益なものなのかを、あなたでジャッジしなければいけません。

さて、先輩に命令されてセッティングした合コンは、あなたが仕事をする上で、メリットがあるでしょうか。

先輩と仲良くなれる、というならいいでしょう。でも今回の場合、「仕事もできる」「大好きな」先輩に対して、合コンの姿を見ることによりマイナスイメージを膨らせてしまう要因になってはいませんか。見なくてもいい先輩のプライベートを知ることがあなたの業務をやりにくくしているのであれば、回避しなければいけません。

前回、直接業務に関係ないことについての忠告、指摘はビジネスマナーの見地からNGとお話しました。ファッションについても同様。ビジネスの場での身だしなみとして問題があれば別ですが、「フリルのブラウスにフレアスカート」というアイテムそのものをどのようにコーディネートするか、といったことは個人の趣味の範囲です。

どんなに話しやすく、関係が良好であっても、「先輩の合コンスタイルって昔風」とか「若作りしすぎ」とかいうようなことをストレートに言うのは、ビジネスマナーとして正しいとはいえません。「なによ! うるさい子ね」などと目をつけられてしまうようなことになれば、それこそやぶへびです。

社内で合コンにまつわる話はしない

あなたが先輩から合コンをセッティングしてほしい、と言われるのはなぜでしょうか。それは、休憩時間などに「今日は合コンだ」とか「先日の合コンで会った人が……」など、話しているからではありませんか? 

先輩だって、合コンをしていない人に、セッティングを頼んだりはしないと思います。頼まれるのがイヤなのであれば、今後は「合コンにまつわる話は一切しない」ことです。そうすれば、たとえ先輩から話をふられてたとしても、「うーん……。最近はやってないんですよ……」と断れるはずです。

第三者の意見としてアドバイスをする

先輩の出会いには協力してあげたい、ファッションのせいで損をしているのをなんとかしてあげたいと思うのであれば、第三者の意見としてアドバイスをすると角がたちません。

アラフォーは、自分の見た目年齢をアラサーのみなさんが考えている以上に若く設定しています。と同時に、恋愛の場では実年齢がネックになると思っている。「男性からモテる」「男性から好かれる」には若くなければダメだという考えに固執しているのです。20代、30代前半でモテた経験があるアラフォーほど、その傾向が強い。それを年下のあなたからストレートに指摘されれば、受け入れる気持ちよりも反発心のほうが大きくなってしまいます。

ランチのときなどに、一緒にファッション誌を見る機会を作ってみましょう。もちろん、あなたがいつも読んでいる30代向けのものではなく、独身の40代向けのファッション誌です。

写真を見せながら具体的に「この服、先輩が着たらモテそう」「こんなふうにグロスを使うと、大人の女性って感じでステキになるんですよね〜」など、あくまでもプロが紹介しているものの中から先輩の魅力がより引き出されるものを見つけた、という形で提案していくのです。

働く独身のアラフォー女性が職場の後輩に合コンをしたい、出会いがほしい、と言うこと自体、勇気がいることです。その方が素直でかわいらしい女性であることは間違いありません。応援をしてあげたい気持ちも理解できます。

ただ、あなたが闇雲に合コンをセッティングするよりも、たとえば、その先輩と同じ年齢の社内の男性先輩にバトンタッチしたほうが、効率があがる場合もありますよね。

自分の手にあまるようであれば、より高いスキルを持っている方に相談する。そのあたりは仕事のさばき方と同様に考えてみてください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/