貴重なアンソロジー。1820〜30年代にドイツ語圏で書かれたヴァンパイア小説を集めている。なんともニッチに思える企画だが、ただの物好きではない。怪奇小説史のメルクマールであるジョン・ポリドリ「ヴァンパイア」発表が1819年であり、その当時、この作品がどのように影響したかを、実作品を通して検証しているのだ。収録されているのは七篇。ほとんどの作品に共通しているのは、死からの復活というヴァンパイア本来のモチー