お仕事小説が好きだ。三浦しをんさんの『舟を編む』や、有川浩さんの『空飛ぶ広報室』、早見和真さんの『店長がバカすぎて』など、挙げればきりがない。組織の不条理に抗い、人間関係に悩み、自分の無力さに歯噛みする。主人公たちが葛藤しながらも成長していく姿に共感し、なんだかんだ言っても「働くっていいな」と、明日への勇気をもらえるのだ。『県庁の星』をはじめ、数々のお仕事小説を書いてきた桂望実さんの新著、『こ