北朝鮮北部にある両江道(リャンガンド)は、平地が少なく冬の寒さが厳しいことから鉱業と林業以外の産業が育たず、昔から人口希薄の辺境の地だった。この地域に大きな変化が生じ始めたのは、北朝鮮の市場経済化が進んでからのことだ。川向うが中国というロケーションを活かして、合法・非合法の貿易が盛んに行われるようになった。いつしか地域は、輸入した中国製品を北朝鮮各地に輸送する流通の一大拠点へと発展し、大いに栄えた