結婚しない女性が増えています。2010年の総務省「国勢調査」によると、25〜29歳の女性で60.3%、30〜34歳で34.5%、35〜39歳で23.1%が独身です(参照:年齢別未婚率の推移)。要因のひとつとして、「女性が結婚相手に求める年収が高すぎること」があげられますが、若い女性たちが「父親大好き」であることも、関係しているかもしれません。

理想の結婚相手は、今の彼氏よりも「お父さん」?

カルピス株式会社が、20代独身OLを対象に、「理想の結婚相手」は誰か、自由に答えてもらったところ、回答した617人のうち、断トツでトップだったのは「自分の父親」(70人)でした。次いで「今の彼氏」が45人で、「彼氏」よりも「父親」の方が、ランクが高いとの結果に。以下は「西島秀俊」や「向井理」など芸能人が並びますが、「自分の父親みたいな男性と結婚したい」女性の多さが目立ちます。(参照:20代独身OLのひなまつりに関する意識と実態調査

調査は昨年12月、全国の20代独身OLを対象に、ウェブアンケートで実施。有効回答1236人のうち、両親と同居が618人、1人暮らしが618人です。

父親との関係については、「良い」38.7%と「どちらかといえば良い」35.9%を合わせて、全体の7割強が「良好」と回答。20代独身OLたちは、おおむね父親と良好な関係を築いているようです。

「父親と2人で外食」も当たり前

そんな20代独身OLたちに、「父親と2人だけで外食(飲み会を含む)をすることがあるかどうか」尋ねたところ、「よくある」5.1%、「時々ある」14.8%、「たまにある」23.5%とを合わせて、43.4%が、父親と2人で外食を楽しんでいるとの結果に。アンケート対象の女性のうち、半数は「1人暮らし」であることを考えると、4割強が「父親と2人で外食をしている」というのは、結構、高い割合だと感じます。

筆者の知人にも聞いてみたところ、ある20代後半女子は、「父親と外食? 普通でしょ。高いお店で、遠慮なく注文するのも親孝行。元気な様子を見せられるから」と言っていました。また、あるアラサー独身女性は、都内で単身赴任中の父親と2人暮らし。父親と、日常的に食卓を囲んでいます。

彼女たちにとっての「お父さん」は、「娘に教育はいらん!」などという、昔ながらの“頑固おやじ”とは全く別の存在。「好きなことをすればいいよ」と、自由にさせてくれて、優しく、ほとんど怒らない父親が多数派です。「お父さん大好き」と、ややファザコン気味の独身女性が多いのも、納得というものです。日本では、「マザコン男子」への風当たりが強いのに対し、「ファザコン女子」には、むしろ「親孝行だね」と、好意的な眼差しが注がれる……というのも、若い女性のファザコン化が進む要因かもしれません。

理想の夫婦は「うちの両親」、昭和モデルが女子の未婚化を加速させる?

さらに、「父親と母親は理想の夫婦像か」と聞いたところ、20代独身OLの5割が「そう思う」と回答。20代女性の両親の多くは、「サラリーマンの父と、専業主婦(パート含む)」という組み合わせ。これが「理想」という独身女性が、5割もいるのですね。

厚労省の調査では、15歳〜39歳の独身女性のうち、3人に1人が「結婚したら専業主婦になりたい」と答えています。確かに、父親と同じくらいの年収(理想は最低500万円でしょうか)を稼いでくれて、優しくて、自由にさせてくれる男性なら、結婚したいと思うのも分かりますね。

ただ、マイナビウーマンの調査によれば、20〜30代独身男性のうち「年収500万円以上」は、たったの6.6%(22歳〜39歳の未婚社会人男性113人にウェブアンケート)。「理想の結婚相手はお父さん」では、納得いく結婚相手と出会う確率は、低くなるでしょう。結婚は義務ではありませんし、父親といつまでも仲良しな“孝行娘”も、悪くないと思います。が、もし「本気で」結婚したいなら、まずは「父親のような結婚相手なんていない」と悟るところから、始めるべきではないでしょうか。

(北条かや)