ノベライズ『ファーストクラス 2nd season』(脚本:及川博則、ノベライズ:木俣冬)は12月24日発売。メリークリスマス!

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大ショック!
ロミ男ねえさま、いないじゃん!!
ミッツ・マングローブ不在のまま、最終回を迎えた「ファーストクラス」(フジテレビ水曜10時〜)。

布地の仕入れを妨害され、涙目の主人公・ちなみ(沢尻エリカ)のもとに届いた一通のエアメール。
その手紙によると、ちなみの恋人である樹くん(中丸雄一)は帰国し、児童養護施設にいるらしい。通常なら、日本にいるなら電話ぐらいしてこいやー! とキレそうなものだが、そこはそれ、一国一城の主を経験しているだけにキャンキャン吠え立てたりしない、ちなみ嬢なんである。

施設で子どもたちと遊んでいた樹くん。ちなみが現れると倉庫に連れて行き、施設では新品より古着のほうが喜ばれると力説する。曰く「どんなにボロくても汚れていても、少しでも手作り感のある服を選
ぶ」。いやいやいや、王子、ホントに!? さらに、王子はピュアな瞳でちなみに訴えかける。

「お金がなくても洋服を作ることはできるんじゃないかな。ちなみちゃんはいちばん大切なものを持っているだろう」
このなんとも言えないキラキラフレーズを聞いて、うっかり山口百恵の「ひと夏の経験」を思い浮かべてしまったことを告白しておこう。すみません、すみません。

さて、ちなみが恋人とキャッキャうふふトークを楽しんでいる頃、TATSUKO YANO ORIGINALのみなさんは着々と追い詰められていた。ファスベンダー&マッカートニー・ジャパンの至上命題は「いいからネット通販で売れる洋服を作りやがれ」。竜子さんは早々に戦線離脱。デザイナーたちは「竜子さんが立ち上げたラインなのに、わたしたちだけで作るってめちゃくちゃじゃない?」「大丈夫なんですかね」とため息をつく。まあ、TATSUKO YANO JAPAN もそうだったじゃないか。がんばれ。

手際よく、ちなみの妨害に成功したものの、TATSUKO YANO ORIGINALの売り上げは伸び悩み
苦悩する隆太郎(渕上泰司)。「なんとかしてTATSUKO YANO を残さなきゃって思ったんだけど……」としょんぼり。竜子(夏木マリ)は「あなたに任せたんだから好きなようにしたら?」「わたしのことを考えなくていいわよ」「いっぱい失敗なさい」とひたすら背中を押す。

ママの愛情タンクがいっぱいになったのか、悪役ぶるのに飽きてきたのか、ここにきて隆太郎が豹変する。

ファスベンダー&マッカートニー・ジャパンで「みんなの情熱や志を大事にしたいんです!」と土下座。さらには「いままでの無礼の数々、お詫びいたします」と、ちなみに謝罪。「あなたをTATSUKO YANOグループ最後のコレクションのクリエイティブディレクターに任命します。ていうか、みんなでちなみさんを迎えに来ました!!!」と宣言。さすが我らが隆太郎。最後の最後にきて“ミスター手のひら返し”の座へようこそ!

TATSUKO YANOグループ最後のコレクションを率いることになった、ちなみは「古着を集めてください」とオーダー。古着を使ったコレクションは世界でもあまり例がなく、“着るだけで社会貢献できる”というコンセプトもメディア受けすると踏んでいた。

コレクションに向けて張り切る面々。一人だけ不満げな顔で“ぶっつぶしてやる”なんて不穏な独り言を言っていたのはインターンの佐丹野結衣(山谷花純)。耳ざとく聞きつけたナミ絵(シシドカフカ)の反撃が凄かった。
「あんたみたいに顔もスタイルも家柄もそこそこの女が悪女ぶるなんて、2000飛んで14年早いのよ!」と正面きって罵倒した上で、ほっぺたにブチューッ。
あまりに唐突な攻撃に結衣はポカーン。うるさい小娘を一撃必殺で黙らせる大胆な技が提示された瞬間だった。

「失敗をおそれずにね、失敗は宝よ」(竜子)と励まされながら、挑んだ最後のコレクション。招待したプレスが誰一人として来ないというアクシデントがありつつも、最終的には問い合わせ電話がジャカスカかかってくる、あの前作の懐かしいシーンが再現された。めでたし、めでたし! といいたいところだが、納得がいかないのが王子との関係だ。

「また、樹くんに助けてもらった気がする」
「いや、僕はなにも……」
そこで、熱い抱擁&キスするところまでは、まだよかった。脈絡はないが、まあクリスマスイブですし。やりなはれ、やりなはれ。この後が釈然としない。

「また、しばらく戻ってこれないと思う」
「待ってる……」
「じゃあ、いっせいのせで振り向いて分かれようか」
王子のバカバカ! ちなみもちなみだ。
去っていく背中に「メリークリスマス!」なんて、昭和の女すぎるだろう。
「次は日本に帰ってきたら、真っ先に知らせてね」ぐらい、釘を刺しておこうよ!

さらにギョッとしたのが、最後にマウンテンランキングが消滅したこと。消しちゃうんだ!

「あなた、命がけで仕事したことありますか?」
「たくさんの人を洋服で幸せにするために、命がけで仕事をしたいと思います」
ドラマ終盤で繰り返し登場した「命がけ」というフレーズ。“命がけ”と言えるぐらい、必死で仕事していたら、マウンティングなんてしているヒマないだろうというメッセージなのでしょうか。まさかね……?

ノベライズ『ファーストクラス 2nd season』(脚本:及川博則、ノベライズ:木俣冬)は12月24日発売。「妄想ゴシップ・凪子新聞まとめ」「悪女ナミ絵の金言・暴言・罵詈雑言」などの特典映像付きDVDは2015年2月18日発売予定。
(島影真奈美)