人事出口戦略シリーズ?人の出会いと別れは不可分にして表裏一体/成田 一夫
人事出口戦略シリーズの5回目。今回は、人の出会いと分かれについてです。

過去のシリーズは下記からご覧いただけます。(弊社の自社ブログへリンクします)

人事出口戦略シリーズ1手切れ金と引き換えに解雇できる首切り法

人事出口戦略シリーズ2首切り法の須要背景「高齢化と定年と年金」

人事出口戦略シリーズ3人事戦略の入口には熱心で出口には無関心

人事出口戦略シリーズ4人事出口戦略に基づく新型雇用形態の増加

人材でも人事でも、接頭語は何でも結構ですが、人事における出口戦略を一言で表すと、

『雇用契約の解消を制度化した人事戦略』

と定義づければ分かりやすくなります。個人でいえば、離婚のようなものです。

「離婚を前提に、結婚する奴ぁおらんやろ」

ご説ごもっとも。

しかし現実には、夫婦の30%が離婚しており、年間一万件の離婚訴訟があるということは、

離婚(あるいは死別)を前提に結婚しないタメ、いざ離婚に直面した時モメるという解釈も成り立ちます。離婚を前提に結婚しておけば、未然に防げた可能性も大。

会社の人事と結婚を一緒くたにするのは見当違いとの反論もありましょう。が、入社も結婚も、しょせんは、人と人の営み。

人の泣き笑い、怒り悲しみ、喜び楽しみに、オフィシャルもプライベートもありません。

つまるところ、人間関係なんですよね。出会いがあれば別れがあるように、人が出会えば、いつか別れる時が来る。そういう単純な本質です。

その別れの時を想定しておきますか?

それとも、別れる時のことは考えませんか?

離婚する気がないとしても、もし離婚するとしたら、円満離婚しますか?泥沼の愛憎劇を繰り広げますか?

という話です。

会社の人事も同じです。採用した正社員が辞めることになった時、

1)円満に別れて、その後は別の道を歩みますか?

2)円満に別れて、同じ業界・同じ道を歩みますか?

3)けんか別れして、2ちゃんねるに悪口を晒されますか?

4)けんか別れして、裁判沙汰になりますか?

5)別れ方はどうあれ、また復縁しますか?

選択肢の本質は、以上5つのみ。

さあ、あなたなら、どの選択肢を選びますか?

ヒトモノカネのうちの、人事の問題ですから、経営判断ですね。

その判断によって、人事出口戦略における戦術(具体的な制度)が決まります。