ノートPCキラー、MacBookキラーになれるのか?Surface Pro 3の技あり機能と課題

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●スペックアップして薄型・軽量化
マイクロソフトは6月2日、12インチタブレット「Surface Pro 3」を国内向けにも発売することを発表した。気になる発売開始は、2014年、7月17日からだ。

スペックについては、5月に米国で発表された内容とおりで、CPUにCore i7を搭載するモデルがラインアップされるなど、Pro 2から性能、使い勝手が強力にパワーアップされた。また、画面が10.6インチから12インチに拡大されながら、Pro2よりも本体は「軽く」。「薄く」なったことが最大の特徴だ。

Pro 2よりスリムになった外観と、手に持ったときの軽さは、確かに物欲が刺激されてしまうモデルだ。しかし最安で9万円台はまだしも、ハイスペックモデルでは20万円台の価格設定はちょっと悩みどころだろう。

12インチタブレット「Surface Pro 3」


●ライバルはMacBook Pro? MacBook Air?
さて、発表で強調されたのは、“ラップトップパソコンを置き換える存在になるタブレット”ということ。なんとも、ながったらしく、わかりにくいコピーだが。つまりは、パソコンの代わりになるタブレットPCと言うことだ。

実際、発表でも重量を比較する名目で、アップルのMacBook Proを天秤に載せて、重さを比較するパフォーマンスを展開している。

確かに、ハイスペックモデルとの競合となれば比較対象はMacBook Proとなる。しかし、手軽に持ち歩いて使うニーズもあるSurface Pro3のライバルはMacBook Airと考えるべきだろう。

そこで、Core i5を搭載し、11.6インチディスプレイを搭載するMacBook Airと、同等スペックの「Surface Pro 3」を比較してみた。
「Surface Pro 3」本体の800gを切る重量はインパクトがあるが、専用タイプカバー295gを加えると、総重量は1093gと、1kgを超えてしまう。



スペックの近いMacBook Airと比較


今回、Surface Pro 3のセールスポイントの一つが新キックスタンドだ。新キックスタンドはマルチポジション対応となっており、自由な角度に設定できる。これまでは利用できなかったヒザの上に載せての作業も可能となる。しかし、膝上などで使うのであれば、既存のラップトップタイプのほうが安定度は高いと感じる。

一方、Surface Pro 3の特徴として新キックスタンドよりも注目したい機能がある。それが付属のSurface Penだ。実は、PCがスリープ状態でも、ペンの後ろのボタンをクリックするだけで、OneNoteが起動して、すぐにメモを取ることができるのだ。マイクロソフトコーポレーションジェネラルマネージャーのブライアンホールは、このペンを素材や重量にもこだわって開発したと述べている。

また、日本版には独自にMetaMoJi製の手書きノートアプリ「Note Anytime」がプリインストールされる。iPad版、Android版で使ったことがある方なら、すいすいと手書きで文字や図が書ける便利さをご存知だろう。このことからも、Surface Pro 3がタブレットとして便利に活用できそうだと思わせてくれる。

キーボード入力だけしかしないのであれば、ラップトップをSurface Pro 3に完全に置き換えるというのは少々厳しいかもしれない。しかし、キーボード入力とペンやタッチ操作ができるタブレットの使い勝手の両方を使えることは、Windowsを快適に使えるタブレットとしては歓迎すべき進化をしているといえるだろう。

とはいえ、12インチに大型化したことで、価格も上がったSurface Pro3は、タブレット利用をメインと考える人にとっては、少々お高いと思われるかもしれない。

CPU Core i3/メモリ4GB/ストレージ64GB  9万1,800円
CPU Core i5/メモリ4GB/ストレージ128GB 11万1,800円
CPU Core i5/メモリ8GB/ストレージ256GB 13万9,800円
CPU Core i7/メモリ8GB/ストレージ256GB 16万4,800円
CPU Core i7/メモリ8GB/ストレージ512GB 20万2,800円

MacBook Airとの比較では、キーボードを含めた重量は実は五分五分、CPU性能や画面解像度はSurface Pro 3がやや上だが、価格もお高めとなる。もしどちらか選ぶとするなら、用途で選んでみたい。

取材などで持ち歩いてキーボード入力をメインで使いたいならMacBook Air。タイプカバーからの入力は、少々心もとないが付属のSurface Penはかなり使えそうなので、ペン利用をかなえている人にとってはプラス要素もある。タブレットとしての利用を加えて様々なシーンでの利便性えお考慮すれば、Surface Pro 3といったところか。