4月も半ばを過ぎ、新入生の部活もそろそろ決まってきた頃だろうか。一部の強豪校のサイクルは特別かもしれないけど、一般的な学校であれば、部活紹介、勧誘、見学などがあって、徐々に決まっていくんじゃないかな。

世界に例を見ない日本の部活文化は、良くも悪くも日本のスポーツの象徴と言っていい。日本は戦後、スポーツを単なるスポーツではなく教育の一部として捉え、文部科学省管轄下における学校行事の一環とした。コーチたる顧問は教員のボランティア。先輩後輩の上下関係、永遠たる球拾いと声出し、罰走といった厳しさに耐え、流した涙の数だけ強くなる、というストーリーの中で生徒たちは汗を流してきたよね。

もちろん良いところもあるだろう。けれど草の根でサッカーを普及してきた僕は、この部活動文化、とりわけ「補欠」の存在はなんとかしなければならないと思っている。サッカー部に入って、一度も公式戦に出場できずに3年間を終える子はどれくらいいるだろうか。彼のサッカー人生は本当にそれでいいのだろうか。

強豪校などの大所帯になれば、部員数は100人、200人レベルになる。大会に出場できるのはその中でほんの一握りだよ。そうした格差をなくそうと、学校レベルで大会形式の試合を組み、BチームやCチームの選手たちに出場機会を与えているところもあるけれど、それらは一例だね。

僕は大元のシステムを変えなければいけないと思っている。日本サッカー協会は、子供から大人まで、協会傘下の大会に出場する人間はみんな選手登録させ、登録料を取っている。子供やアマチュアからお金を取っていること自体が解せないが、それはさておき、この登録システムが、補欠を生む要因になっているとも思う。登録されることによって選手はプレーする場を拘束されてしまうからだ。
 
この改善策として、例えば登録システムを、「大会ごと」「登録チームごと」とするのはどうだろう。ある大会に同じ学校から5チーム出て、5チーム分の大会参加料を払うというものだ。これなら大会の運営財源にもなるし、補欠解消の一環にもなる。あるいは複数の学校の補欠部員を集めて、連合チームとして出場したっていい。アイデアはたくさんあるよ。

私立の強豪校が選手をかき集め、「あそこのAチームよりウチのBチームのほうが強い」なんてえばっているうちは、日本サッカーは本当の意味で強くならない。今はサッカーが普及すればするほど補欠が生まれている状態だ。補欠なんていう言葉をなくす、それも夢先生の仕事の一つだと思うね。