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ヤフーはモバイル上でアプリのダウンロードを促して利益を得たいようだ。

ヤフーの新たなスマートフォン戦略が明らかになった。伝えられたところによると、ヤフーは自社のモバイル媒体を使い、他社製アプリのダウンロードをユーザに促す広告を開始した。

モバイル用のアプリ・ダウンロード広告は、モバイルのウェブサイトとアプリから利益を生み出す方法として最近ますます人気を集めている。一般的にはコンテンツの中に広告が表示され、ユーザーにモバイル・アプリケーションのダウンロードを促す。例えば、ユーザーがオンラインの数独ゲームをしているときには、他のゲームのダウンロードを促す広告が表示され、タップすれば有料アプリの購入画面が現れる。ほとんどの場合、広告を表示した媒体には成功したダウンロード数に応じて報酬が支払われることとなる。

Readwrite の問い合わせに対し、ヤフーはこの戦略を認めている。

アプリとブランド(そしてレベニュー)

「我々はヤフーのモバイル用アプリとサイトを使って、ユーザーに直接アクセスしたい一部の広告主と共に、コンテンツ内広告を実験的に実施しています」とヤフーのスポークスマンは ReadWrite の問い合わせに対してメールで回答した。「これらのネイティブ広告の目的は、広告主であるブランドが所有するモバイル用アプリのダウンロード数を増やすことです。この実験は、我々が iOS と Android デバイス上で実行しているすべての媒体で、コンテンツ内広告として展開される予定です」

アプリ内から他のアプリをダウンロードさせることは、新たなユーザにリーチするための有効な手法だ。そのユーザーがアプリをすでに使っているため、新たなアプリのダウンロードにも抵抗があまりないと考えられるためだ。フェイスブックとツイッターは他の企業と同様、自社のモバイル・アプリを修正してこのようなアプリ・ダウンロード広告をすでに展開している。

ヤフーCEOのマリッサ・メイヤーはモバイルサービスに注力している。今回のアプリ・ダウンロード広告はこのモバイルに向けた大きな取組みの第一歩に過ぎず、アプリのダウンロード数を増やしてデベロッパーを支援するための施策は他にもあるようだ。

同社は今年の始めに、アプリがいつどのようにどれだけ使用されているかを学習することによって、ユーザーのモバイル体験をカスタマイズする「インテリジェント・ホームスクリーン」を提供する企業 Aviate を買収している。Re/code でカラ・スウィッシャーが最近述べているように、ヤフーはアプリを対象としたモバイル検索を実装するかもしれない。これはマイクロソフトとの検索提携に違反せずに実施できる数少ない選択肢のようだ。

フェイスブックによると、2013年、モバイル・アプリ広告は1億4500万を超えるダウンロードにつながったという。モバイルの広告収入は同社の広告収入のうち53パーセントを占めており、アプリ・ダウンロード広告はその中でも特に成長性が高いという。

失敗の歴史

ヤフーはこれまでにもデベロッパー向けのサービスを展開しているが、どれも長続きしていない。今回のアプリ流通プラットフォームは果たして、過去の失敗を繰り返しデベロッパーの期待を裏切ることにはならないのだろうか。

アプリ開発者の新規ユーザ獲得を支援するモバイル・プラットフォームをこれから始めようという中、ヤフーはデスクトップ・ウェブ用のアプリ開発者の支援のための似たようなサービスをまもなく終了しようとしている。Yahoo Application Platform はゲームなどのサービスを My Yahoo に提供するプラットフォームだが、今月限りで終了となる旨が同社の開発者用サイトに記載されている。

2008年に遡ると、ヤフーはこれらウェブ・ベースのアプリ(HTMLベースのアプリで現在同社がプッシュしているモバイル用のアプリとは異なる)を利用し、外部デベロッパーのサービスを盛り込む形で自社のホームページを一新させるはずだった。当時 AllThingsD もこれを報じている。

しかしウェブ・ウィジェットと呼ばれたこのサービスは消費者の支持を得ることができなかった。グーグルも似たようなサービスである iGoogleを去年11月に終了している。

Selena Larson
[原文]