東レ「Ultrasuede(R)」ブランドを国内展開 Tiffanyも採用

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 東レが10月22日、スエード調人工皮革「Ultrasuede(R)」の日本デビューイベントを開催した。「Ultrasuede(R)」は同社の繊維技術から生み出された新ブランドで、優れた特性からファッションをはじめインテリアや自動車の内装など幅広い用途に使われる。イベントでは素材の世界観を表現するため、アーティスト清川あさみが空間をプロデュースした「お茶室」も公開された。

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 東レが1970年に開発した独自の超極細繊維生産技術をベースとした「Ultrasuede(R)」は、本革では難しいという鮮やかな発色や滑らかな手触り、上質な素材感、様々な表面加工により、意匠表現の可能性を多く秘めた素材で、通気性やホールド生、耐久性などの機能性も兼ね備えている。ファッション分野では「JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS(ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン)」や「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」が2014年春夏コレクションの中で「Ultrasuede(R)」を使用しているほか、「Tiffany(ティファニー)」のケースにも採用されている。パリのテキスタイル見本市プルミエール・ヴィジョンプルにも出展しており、日本デビューイベントに出席した東レ マイクロファイバー事業部門担当課長の安東克彦氏は「グローバルブランドとして日本から全世界に広めていく。ますます多くのデザイナーやクリエイターに活用してもらいたい」と語った。

 イベントのためにデザインされた清川あさみによるお茶室は、伝統的な趣を残しながらも「Ultrasuede(R)」の質感や発色を活用して先進的で近代的な空間を表現。ラメとマッドな素材を編み込み畳をイメージした床面や牡丹をイメージしたアートなど、「自分が見てみたい現代版の茶室を自由な発想でかたちにした」(清川あさみ)という。多彩なカラー使いが作風の特徴の一つだが今回は「素材のもつ優しさを出すため、あえてモノクロにした」と話し、もてなしの気持ちを表現した仕掛けとして壁面のアートに光が加えられると、集まった関係者を湧かせた。