“オーシャンズ11”シリーズ監督引退作『サイド・エフェクト』はNY版“半沢直樹”?!

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現在公開中で、特に映画ファンの間で注目を集めているのがスティーブン・ソダーバーグ監督の最新作『サイド・エフェクト』だ。ソダーバーグ監督といえば『トラフィック』『オーシャンズ11』や『チェ 28歳の革命/39歳 別れの手紙』等、数々の作品で世界中のファンを魅了してきた日本でも有名なオスカー監督のひとり。その監督がなんと引退を宣言。本作が彼にとっては最後の作品となる、、一体どんなストーリーなのか。

■ストーリー
舞台はニューヨーク。28歳のエミリーは最愛の夫マーティンをインサイダー取引の罪で収監され、幸福の絶頂から絶望のどん底へ。夫は無事に出所したものの、エミリーはうつ病を再発させ、担当医になった精神科医バンクスは彼女に新薬を処方してもらう。しかし、彼女はその新薬の副作用(サイド・エフェクト)である殺人事件を犯してしまう。バンクスは主治医の責任を問われ、エミリーにも思いもよらない結末が待っていた…。

■『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラがセレブ妻役で新境地
物語の鍵を握る女性エミリーを「ドラゴン・タトゥーの女」や「ソーシャル・ネットワーク」のルーニー・マーラが、出所する夫マーティンを「ホワイトハウス・ダウン」のチャニング・テイタム、精神科医のバンクスをジュード・ロウが演じ、エミリーのかつての担当医にキャサリン・ゼタ・ジョーンズがミステリアスな魅力いっぱいに演じている。中でも、ルーニー・マーラはこれまでの作品同様、その演技を絶賛されており、殺人事件の真相が解かれるにつれ、彼女の演技力に目を見張ることになる。今回はセレブ妻役ということで、その美しさも是非堪能して。

■先の読めない展開に、業界からも絶賛コメント
本作は魅力的なキャスト陣だけでなく、先の読めない展開にも高い評価の声が。林海象監督は「こんな展開の読めない作品を初めてみた。」とコメント、橋口亮輔監督は、「心が凍りつくほどの極上サスペンス」と脱帽。また俳優の竹中直人さんは、美しい映像や臨場感溢れる音響にも感動の声を寄せている。筆者の個人的な感想としては、日本でも注目されている精神的な病と薬の投与といった問題に大きく切り込みながら、それに関わる男女の黒と白の感情の交錯が非常にリアル、引退的な雰囲気(どんな雰囲気・・・)なんて一切感じない野心作、引退ではなく“休業”なのだと信じたい。

■さいごに
すでにご覧になった方の中には、「(内容はネタバレになるので詳しく説明できないけれど)半沢直樹だ。。」と感じた方も多かったようで、一体誰がどんな倍返しをするのか注目の集まるところ。また様々な心理戦が展開されるので、見終わった後には「いつ気づいた!?」等と誰かと一緒に話したくなる。刺激いっぱいのアトラクションムービーも楽しいが、秋らしくスクリーンの前でじっくり考えながら楽しむなら、本作は“デートムービー”としてもオススメしたい。主治医のバンクスはエミリーに惚れていたのか、それとも?等、男女で意見が分かれそう。もうすぐ公開が終わってしまう映画館もあるので気になる方は是非早めのチェックを。(mic)

『サイド・エフェクト』現在公開中。http://www.side-effects.jp
写真:(C)2012 Happy Pill Productions.