「ウチデート」の3種の神器とは!?

写真拡大

アベノミクス効果に注目が集まっているが、相変わらず外出するより家の中でゆっくり過ごしたい人は多いようだ。

先ごろ、マーケティングリサーチを行う株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果でも、その傾向が明らかになった。特徴的なデータをいくつか紹介したい。

まず、20〜50代の男女に「アナタはズバリ、ウチ族? ソト族?」と質問してみると、家の中の生活環境の充実させたい「ウチ充」重視の「ウチ族」が63.1%と過半数をしめる結果に。逆に「ソト充」優先の「ソト族」は16.8%と少数派だった。

といっても、「長引く不況が原因で外出を控えている」といったネガティブな理由でウチ族を選んでいる人は少ない。30〜50代の「ウチ充」主婦に、プライベートな時間をウチの中で過ごす理由を聞いたところ、「ウチが一番くつろげるから」が85.6%で最多。「お金を使いたくないから」という人は19.9%、「人と会うのが嫌だから」という人は15.4%に過ぎなかった。

では、実際にウチにいて何をしているのか? 「ウチ充」主婦に休日のウチでの過ごし方を尋ねると、睡眠に次に多かったのが、「インターネット」(※Eメール、オンラインゲーム、無料通話アプリを使った通信・通話など含む)。主婦にとって長い間ウチでの娯楽の主役だったはずの「テレビ」をついに抜き去った。

インターネットの割合を時間に換算すると、実に4時間以上。具体的には、Eメールやニュースサイトの閲覧、そして最近ではネット通販もポピュラーだ。「ウチ充」主婦のインターネットで買い物する年間消費額の平均は、12万3,684円。米や飲料、ペットフードなど重くて持ち運びが大変なものを買う人が多く、なかには動物や植物などユニークなものを挙げる人も。また、大型家具や家電製品、車などの高額商品を挙げる人もいたというから、今後は「ウチ充」主婦の「ウチノミクス」効果にも注目かも!?

もちろん、「ウチ充」は主婦だけじゃない。同社の調査によれば、20代の「ウチ充」男女のうち、およそ3人に1人がデートの場所として主に「ウチ(家)」を選んでいることが判明。また、「ウチデート」のマストアイテムとして、上位3位に選ばれたのは、「テレビ」「インターネット」「スマートフォン」。これらは「ウチ充」世代のデートにおける三種の神器といえそうだ。これに「パソコン」や「ゲーム」が続く。

もちろん、彼らもポジティブな理由で、ウチデートを選択している。「草食男子」の名付け親であるコラムニスト・編集者の深澤真紀さんによれば、
「どうして、バブル期の若者の方が恋愛しているように見えたのでしょうか。それは彼らが“外で恋愛”していたからです。一方、いまの若者は“家で恋愛”していて、ウチで映画を見たり、音楽を聴いたり、料理をしたりする“ウチデート”を楽しむ“ウチラブ”派なのです」
実際、「恋人として交際している異性がいる」のは、バブル期の1987年には19.4%で、2010年のほうが22.8%と多い(国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」)。

今年は夏の猛暑で主婦の「ウチ族」化が加速したともいわれるが、これから寒くなる冬にもますます増えそうな「ウチ族」。あなたはウチ族、ソト族、どちらですか?
(古屋江美子)