かき氷機の人気度から見る、リユース市場の盛り上がり
でも、ただ単に捨てるのは惜しい。もしかしたら、自分の要らなくなった本なり家具なり洋服なりを欲する人がいるかもしれないじゃない。っていうか、絶対にいるはず！
さて、どうします？ 知人にあげるか、リサイクルショップに売るか、フリマに出店するか。
というか、リユース市場自体の調子が良いらしい。経済産業省が実施している「商業統計調査」によると、中古品小売業（骨董品除く）の年間販売額は2002年から2007年の間に、2112億円から3452億円へ増加。要するに、リユース業界は5年間で1.64倍に成長したそうなのだ。
また、こんなデータもあるみたい。若者向けインターネット通販「夢展望」は、4月に意識調査（回答1335人）を実施。「着用しなくなったアイテムを他人に譲ったことがあるか？」という設問では、69％の人が「はい」と回答。内訳としては「身近な人に譲る」が45％、「オークションサイト」が13％、フリーマーケットが9％となっている模様。とにかく、“捨てる”以外の選択肢を楽しめる環境が整い始めているようなのだ。
ここで、一人の主婦に注目したい。オールアバウトにて「ネットオークション」ガイドを担当している、川崎さちえさん。これまでネットオークションを有効活用し、月で最高30万円を稼ぎだしたこともあるらしい。と言っても、要らなくなったものを出品しただけ。例えば「半分使用した高級化粧品」（購入価格10,000円→落札額2,000円）だったり「庭で採れたアサガオの種」（購入価格0円→落札額300円）だったり、しまいには「高級ブランドの紙袋」（購入価格0円→落札額200円）なんてものまで……。逆に言うと、そういったアイテムにも確かなニーズは存在するのだ。
もちろん、これらは片手間による成果。家事や仕事の合間を縫い、一日10分ほどを費やした程度だという。写真の撮り方（自然光で撮影など）やタイトル（漢字や英字、カタカナなど全ての表記で記載など）に気を使ってはいるものの、それにしたって随分なリターンである。
……と、“売る”側の立ち位置でリユース市場に言及してきたが、一方の“買う”側についても触れておきたい。ようやく暑さが落ち着いてきたが、今年の夏は暑かった！
「今年のアイスクリームの売上は、過去最高だった1994年を上回るのではないかと業界内で囁かれています。今年は猛暑でしたが、気温が高いとアイスクリーム類より氷菓の方が売れるというデータがあります」（「アイスクリーム評論家」アイスマン福留氏）
ここで注目したいのは、やはりかき氷だ。今夏、「ヤフオク!」内での取引に注目すると、「かき氷機」の落札率に明らかな伸びが見られるという。前年比で、その伸びはなんと134％！ なるほど、今年はどうやらお店だけでなく自宅でかき氷を楽しむ人が多かったらしい。
実際に「かき氷機」のページを覗いてみると、落札された商品の中には1円で買い取られた物が多い。人気高の物を見ると、独特の食感が楽しめる物やアンティーク調の物に買い手が集まっているのもよくわかる。
「10月頃まで残暑が続く」なんて報道もあるらしく、ホコリを被っているかき氷機を手放すなら今なのかも。逆に、自分好みの“マイかき氷機”を手に入れるチャンスでもあるのか？
兎にも角にも、現代にはこういう生き方もあることがわかりました。
（寺西ジャジューカ）
