ロイヤルホストは2013年5月28日から、グランドメニューを改定する。(写真は、中央がロイヤルホスト代表取締役社長の矢崎精二氏。サーチナ撮影)

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 ロイヤルホストは2013年5月28日から、グランドメニューを改定する。健康においしさをプラスした新ジャンル「サンシャインパートナー」を導入するなど、「これからのロイヤルホストを体現し、お客さまに“新しい価値”を提供する」(ロイヤルホスト代表取締役社長の矢崎精二氏)という戦略的なメニューを提供していく。5月27日に東京・青山で記者説明会を開催し、同社の成長戦略を説明するとともに、新メニューの代表的な商品を紹介した。

 同社のメニュー改定は、年1回だけに限定している。年3回のフェア(ハンバーグ、カレー、イタリアン)で新メニューを提案し、評判の高かったメニューを年1回のグランドメニュー改定に取り入れる形にして、メニューの充実を図っている。従来は年3回実施していた改定を1回に絞り込んだ理由を矢崎氏は、「調理技術の向上や、ホールスタッフのスタンバイの体制への慣れなど、メニュー改定を1回にすることによって、料理品質の向上や店舗サービスの充実につながっている」と説明した。

 今回の改定のポイントは、「産地や生産者のつながりを強化し、価値ある素材にこだわる洋食」。食材の選定から店内調理まで、一貫して自社で責任を持つ「バーチカル・マーチャンダイジング」を強化し、アメリカ産の希少なCAB(サーティファイド・アンガス・ビーフ)や、北海道猿払のホタテ、イタリア産ヴェリーニのパスタ(1.9mm)など、価値ある素材にこだわったメニューを充実させた。特に、アメリカ産CABは、30日以上熟成させる独自のプログラムで旨味とコクのある「ロイヤルアンガスビーフ」ブランドとして全国232店舗で提供するグランドメニューに取り入れた。試験的に販売した店舗では、ステーキの売上が激増したという自信の新商品になっている。

 また、「サンシャインパートナー」は、カロリーや野菜とのバランスなど、健康に配慮しながらおいしさをプラスした新ジャンルとして、新開発のメニューを揃えた。アサイーや青汁、十八穀米といった素材を活用し、従来は700Kcal以下を目安に提供していたヘルシーメニューに対して、500−600Kcalを中心にラインナップした。新ドリンクとして提供する「ACAIミックス −アサイー・バナナ&ヨーグルト−」、「GREENミックス −青汁・バナナ&ヨーグルト−」は注文を受けてから、店舗でミックスし、できたてを提供する。

 さらに、新しい取り組みとして、モーニングメニューを全時間帯で販売する。「エッグベネディクト」、「ロックスとオニオンのスクランブルモーニング」、「フレンチトースト−2種のフルーツ添え−」など、モーニングメニューもリニューアルする。「様々なライフスタイルが出てくることで、起床して最初の食事がお昼頃になるお客さまもいます。最初の食事は、軽いものを頼みたいと思っているお客さまにも、その希望に添った食事を提供したいと思いました。試験的に実施した店舗では、大変好評に受け入れられました」(矢崎氏)と、ロイヤルホスト初の取り組みとして展開する。

 矢崎氏は、今回のグランドメニューに表れている新しい店舗運営のスタイルを「ライフスタイルソリューションの提供」と表現した。「ロイヤルホストでしか、できない価値の提供を行って、お客さまを創造し、お客さま支持を拡大したい」という。同社の業績は、2009年をボトムにして、売上高や営業利益が拡大するトレンドになってきているが、その業績伸長について、「一般的な外食業では、単品価格を下げる時に、原価を落として利益率を確保しようとしがちだが、ロイヤルでは、単価のために原価を抑えることは一切しないできた。むしろ、原価をかけて本当においしいものを届けたいとおもってやってきた。結果的に、来客数の安定化が実現し、1皿あたりの単価は引き下げたものの、お客さま1人あたりの皿数が増えて、客単価は過去2年半の間に10%程度向上する結果になった」と振り返っている。

 また、今後の事業展開として「ファミリーレストラン業態でありながら、“ファミリーからの脱却”を図りたい」とした。外食スタイルは、「1人で」、「夫婦2人で」、「気の合った仲間で」、「高齢世代で」、「女性単身で」など、さまざまなスタイルが増えており、これら「ありとあらゆる利用動機に応えられるレストラン」をめざすという。そして、「健康なイメージ」や「ライトなイメージ」を追求し、「健康においしく、安心して食事ができる、満足度の高いレストランをめざしていく」と展望していた。(編集担当:徳永浩)