かつてのユライア・スタイルといっても過言でないTJ・ディラショーやチャド・メンデスなど、活きの良い若い選手と日々、トレーニングを行うユライア・フェイバー(C)MMAPLANET

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23日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 157 「Rousey vs Carmouche」。UFCにとって初めての女子戦、そして女子世界戦がメインとなった大会で、軽量級の雄ユライア・フェイバーがアイヴァン・メンジヴァーと対戦する。

昨年7月にヘナン・ベラォンと暫定王座を掛けて戦い敗れたユライアにとって、7カ月振りの復帰を懸けた一戦は、今から6年前=2006年1月に反則勝ちと不本意な結果に終わった試合の結着戦でもある。軽量級ナンバーワンの陣容を誇るようになったチーム・アルファメールで試合に備えるユライアにインタビューを試みた。

――23日のメンジヴァー戦が近づいてきました。7月の暫定王座決定戦に敗れ、非常に重要なファイトとなります。

「試合は全て重要だよ。だから勝利を目指している。メンジヴァーとは6年前に戦って、反則勝ちという中途半端な結果に終わっているけど、もうあの頃の僕たちではない。僕はこの6年でもの凄く成長した。テクニック面だって、以前とは全く違う。彼だって強くなっている。グラウンドでもそうだし、スタンドでもムエタイの技術を取り入れて、爆発力のある戦いを心掛ける。きっと、良い試合になるよ」

――前回、カナダのTKOで試合をした時、メンジヴァーがグラウンド状態のユライアの顔面を蹴ったとして反則負けになっています。

「公式結果ではね。蹴りは空振りだった。スクランブルの状態で、スイッチから胸を合せて立ち上がろうとした時、頭がぶつかりバランスを崩したところで、メンジヴァーが蹴りを出したんだ。実際は頭をぶつけた時に目尻をカットした。でも、彼の蹴りは僕のヒザと手がマットについて時に出していたから、反則という判断が下ったんだ。もう、本当に昔の話だよ(笑)」

――その1年後、WECがズッファに買収されユライアは軽量級をリードしスーパースターの座を手にしました。一方で、メンジヴァーは家族を養うために仕事を優先し、一時期ファイトから遠ざかっています。

「それでもメンジヴァーはオールラウンダーで本当に良い選手だよ。僕と戦う前にマット・セラやGSPと戦っていたんだから、どれだけ息の長いファイターか。レスリング、柔術、ムエタイを使いこなす。彼と戦った時の僕は、ただファイトに強いだけで何も知らなかった。

あれからスタンドも当然のように進歩したし、当時と比べると8ポンドほど体が大きくなっている。年を重ねてきたけど、しっかりと体を作ってきた。今では僕の方が大きい。そして、あの時は彼の方が経験で僕を上回っていたけど、今の僕はありとあらゆる経験をしてきた。だから、試合は全く別モノになるよ」

――チーム・アルファメールの練習を見ていると、チャド・メンデスがまさに以前のユライアのようで、ひたすらアグレッシブでパワフル。対して現在のユライアは、随分と落ち着いたように見受けられました。

「ハハハハ。僕はちょっと成熟したかな。もうMMAを10年やっているしね。知識もついたし、スマートになっているよ。まぁ、それだけ時が経ったということだよ。今のチャドはあれぐらいで良いはずだ」

――そのアグレッシブなスタイルが、すかされる。そんな時代にMMAは突入してきたかと思います。これを進化といってよいのか、ただの変化なのか。ただ、いつもファンがユライアを支持するのは、そのアグレッシブな姿勢を持ち続けているからだと思います。

「攻撃の届かないところに立ち続けているファイターは確かに増えた。MMAは進化し、変化し続けているよ。戦術も変わってきた。でも、僕はフィニッシュするために戦っている。ファイトの最終目標はテイクダウンじゃない。MMAはテクニカルゲームである一方で、プリミティブ(原始的)なゲームだ。