英語力自体を高める必要があります。

そこであえてTOEICと関係のない英語に触れてはいかがでしょうか。

洋画や英語のドラマ、英語ニュースなどを通して、TOEIC対策の勉強では触れる機会の少なかった本物の英語に接するのも良いかもしれません。

また、英会話のレッスンを受けるというのでいいでしょう。

方法は何であれ、英語力を伸ばすことが、結果的に得点アップへの近道になるはずです。

――900点以上から満点を目指す! そんな方にはどんなアドバイスを与えられますか。

900点以上のスコアを既に持っている方は、TOEICの対策本から学べることは少ないと思います。

TOEICレベルの問題は9割以上解けるはずなので。

必死にTOEIC対策をして700点台を取った方へのお話と共通しますが、TOEIC教材を使うより総合的に英語力を高める訓練が必要でしょう。

もっとも、帰国子女の方などで、全くTOEIC対策をせずに900点台をマークした方は、『公式問題集』をやって問題慣れすることで満点が取れるかもしれませんが。

――得点を問わず、教材選びのコツを教えてください。

『公式問題集』は TOEICの主催者が作ったテキストですから、まず『ハズレ』はありません。

今、Vol. 5まで出ていますが、一冊目(Vol.ナンバーなし)と2冊目(Vol. 2)はちょっと古いんで、これから買うならVol. 3、4、5がお薦めです。

問題の質的には『公式問題集』が最高ですが、とはいえスコアが400点に届いていない方にとっては、レベル的に難しすぎてしまいます。

そもそもTOEICは、初心者から上級者まですべてのレベルの受験者が同じ問題を解くという試験ですので、ビギナーにとっては難しすぎ、ハイレベルな方にとっては易しすぎてしまいます。

ですから、本番と同じ難易度の『公式問題集』は500点以下の初級者と900点以上の上級者にはレベル的な面で合わないと思います。

それでも上級者は生の素材を使ったりできるのでよいのですが、初心者は自分に合ったレベルの教材を探すのが大変かもしれません。

もし現在のスコアが400点以下であればTOEIC Bridge用の教材(『TOEIC Bridge公式問題集』など)を使うのがよいでしょう。

『公式問題集』以外の教材を選ぶ基準は、著者がTOEICのことをよく知っているかどうかでしょう。

『著者プロフィール』を見て、その著者がTOEICを定期的に受験しているようであれば、ハズレの教材である可能性は少ないと思います。

――最近、数多く開催される対策セミナーの活用法を教えてください。

セミナーに行くメリットは、仲間ができてモチベーションが上がることだと思います。

受講生は皆、TOEICを受けるという同じ目標を持っている。

そうした人同士で直接触れ合って、情報交換などを行うことは、勉強のやる気アップに効果があります。

モチベーション維持には、『TOEICブログ』を始めるのも効果があります。

ブログに学習の記録やTOEICスコアなどを載せると『ブログを書かなきゃいけないから勉強しなきゃ』、『ブログに恥ずかしい試験結果を載せたくないからテストがんばろう』など自分を律することの助けになります。

また、同じようにTOEICブログをやっている学習者とコメントのやり取りなどを通して繋がりができていったりもします。

そうすることで学習仲間ができて、さらにモチベーションが上がります。

――では最後に、TOEICに挑戦する読者にメッセージをお願いします。

忘れてほしくないのは、TOEICは受験者の英語力を測る試験だということです。

英語力とは無関係にスコアだけを伸ばすことも可能ですが、それではTOEICが英語の試験ではなくなってしまいます。

試験対策を通して英語力そのものを身につける。