【ネタバレもありの徹底解明コラム】東京に来る前の磯野家の暮らしとは

 マイナビニュースの「本音ランキング」の「サザエさんで気になっていること(詳細は下記関連リンク参照)」というアンケート(※)を採ったところ、ランク外ながら「東京に来る前の磯野家の暮らしを知りたい」という声が上がった。そこで、あまり知られていない福岡での暮らしについて調べてみた。





 磯野一家は最初から東京に住んでいると思っている人もいるかもしれないが、マンガの単行本1巻(文庫『サザエさん』朝日新聞社刊 定価:525円[税込み])で波平さんの転勤に伴って福岡から引っ越してきたのだ。実はこれ、原作者の長谷川町子さんの引っ越しと連動している。福岡の地方新聞で連載が始まった『サザエさん』の舞台はもともと博多だったのだ。1巻で独身だったサザエさんは2巻ではマスオさんと結婚し、タラちゃんも誕生している。





 福岡時代、一家は洋間を備えた2階建ての家に住んでおり、ソファや蓄音機まであるハイカラな生活を送っていた。高校を卒業したサザエさんはハロー社という雑誌社に勤め、親友のイカコちゃんと博多の繁華街、天神や中州にも出掛けていたよう。ちなみに、サザエさんとマスオさんが天神の百貨店のレストランでお見合いしたとき、キューピッド役を務めたのがこのイカコちゃんだ。





 13歳で父親を亡くした長谷川さんにとって、福岡は父親と一緒に暮らした懐かしい故郷。父の死後、長谷川さん一家は東京へ転居したが戦火が激しくなり再び福岡へ。このときに連載スタートした作品が『サザエさん』である。2巻以降の東京生活と違って福岡生活が華やかなのは、長谷川さんの福岡での楽しかった思い出が反映されているのかもしれない。





 文・塩澤真樹(C-side)





※アンケート

調査時期:2011年9月7日〜9月25日

調査対象:マイナビニュース会員

調査数:男女881名

調査方法:インターネットログイン式アンケート