突然、日本のマスメディアに流れた拉致被害者・田口八重子さんの危篤報道のタイミングが波紋を呼んでいる。

 発信者は、韓国拉致被害者の家族会代表を務める崔成竜氏。崔氏の情報源は、'06年に横田めぐみさんの夫が金英男氏だという事実を伝えてきた人物だというから信憑性は高そうだが…。
 「自民党の山谷えり子議員が、7月21日の参議院予算委員会で、菅総理による市民団体への2億円献金問題を追及する趣意書を提出。さらに参考人として、拉致被害者家族会事務局長の増元照明氏を招致することも明らかにしました。田口さんの危篤報道は、なぜかその前日に一斉に流された。窮地の菅総理にとって、こんな都合のいいタイミングはありません」(拉致問題ウオッチャー)

 驚くべきは、献金先となった「市民団体」の正体だ。
 ある公安関係者が言う。
 「この団体などには、よど号ハイジャック犯のリーダー・田宮高麿と、東欧における日本人拉致の実行犯の息子であるMが所属しており、Mは三鷹市議選に立候補して落選している。同団体に、菅総理の資金管理団体から6250万円が献金されていて、ほかにも鳩山前総理や民主都連からも総額2億円にものぼる献金が流れているのです」

 民主党は、なぜこんな団体に肩入れしているのか。
 「民主党政権誕生に際して、朝鮮労働党内の『225』(総連担当部署)から、『民主党の支援組織である労組に影響力を使え』という指示が出されている。旧社会党や総評などは、労組と総連、北朝鮮本国とは歴史的に関係が深く、旧社会党系グループには総連からの政治献金を受けた議員も多数いる。政権与党になってもズブズブの関係は切れていないんです」(同)

 この問題が事実なら菅総理にとっては致命傷となる。
 「家族会の敵対勢力に大金を献上しているというんですからね。とんでもない大問題ですが、田口さんは家族会会長の飯塚繁雄氏の実妹。その人が危篤となれば、日本政府を通して、すぐにでも北朝鮮と交渉をしてもらわなければならない。家族会としては、この問題で首相を追い込んでいる場合じゃないと判断せざるを得なくなっているはずです」(前出・ウオッチャー)

 在日韓国人からの違法献金問題も、東日本大震災の発生でうやむやにされた。今回も“情報操作”で乗り切ろうという魂胆か−−。