――最後を「Time Is Jewelry」で締めくくっていて、デビュー16年目を迎えた現在、時には迷いながらも後悔の無い人生を歩んでいるように感じますが、露崎さんが音楽活動を始めてから今も変わらずに持ち続けていることはありますか?

露崎:ありますね。最初に歌をやろうと思ったのが「MAMA, I WANT TO SING」というゴスペルミュージカルのCDを聴いた時、ゴスペルを知らなかったし、英語だから何を歌っているか分からないし、だけどひたすら涙が出て来て止まらなくて、本当に魂が震えて。「私は、これをやるんだ!」って、全然歌えもしないのに思った(笑)。それが、きっかけだったんです。そういう私が感じた感動と同じようなものを、感じてもらえるような歌手でありたいなと、ずっと思い続けてますね。それは変わらない。言葉では言い表せられない、もうとにかく魂に直接バーンときちゃって、ただ涙が出る、みたいな「歌」でありたいな、と思っています。

――女性として、人としてこうありたいという理想はありますか?

露崎:一言で言うと、諦めない人でいたいですね、全部において。応援歌みたいなことじゃなくて。信じたものがあったら、諦めない。音楽活動としては、常に新しいことをやって、変化をしていくことがスタンダードくらいの勢いで。あまり一つの所に捕われない形で変化していけたらな、と思いますね。1個作り上げたらまた壊してという風な、勇気を持って物を作っていかないと、どんどん循環していかなくなっちゃうような気がするので。

――今回のジャケット写真のヘアスタイルには驚きました。

露崎:「えっ!誰だ?」みたいな。写真だけじゃ分からない(笑)。

――サウンドだけでなく、ビジュアルイメージも変えたかったのかなと感じたのですが。

露崎:そうですね。とりあえず頭くらいは爆発させておこう、と思って(笑)。

――ステージ衣装と普段着はまた別だと思いますが、アーティストとして着るファッションとプライベートのファッションの好みは違ったりしますか?

露崎:好みの基本は一緒ですね。だけど、ステージで着てる物は普段着れないので(笑)。ステージで着るものは、色々楽しい方がいいので。でも、普段はどちらかというと地味ですね。「派手にしなさい」って言われるぐらい(笑)。

――どんなファッションが好きですか?

露崎:その時々によって違いますよね。マイブームがあって、この年は自分の中でこれが流行ったり、この春はこれが好きだったり。今は昨年の夏ぐらいからずっと、パンクっぽいのとか、ロックっぽいのが自分の中でブームになって。それで音楽もロックっぽいのをやりたいなと思ったり、パンクロックも大好きだったので。その2年前ぐらいは、とにかくどこでもドレスアップした格好で出かけるのが流行ってましたね。もうそれは途中で「疲れた」とか言ってやめて。色々ですね。

――6月には東京・名古屋・大阪でのツアーが控えていますが、アルバム収録曲を中心にやられる感じですか?

露崎:そうですね。ニューアルバムを引っさげてのツアーなので!

――露崎さんのライブを観に来られる方は、どんな方が多いですか?

露崎:男女半々ぐらいで、すごく礼儀正しい人が多いです(笑)。本当に!外で列を成して並んでてもビシッと、何も言わないとか。今、日本人のそういう態度が海外メディアでも賞賛されてますけど、本当にそうですよね。心のちゃんとした大人が多いな、という印象です。

――それは、姉御肌というか、露崎さんの人柄によるものが大きいんでしょうね。

露崎:そうですかねー。私、そんなに礼儀正しくないと思いますけど(笑)。

――特に礼儀作法についてうるさく言ってる訳ではないけど、そういう人が多いんですか?

露崎:そんなこと全然言ってませんよ!21歳でデビューして、そこからずっとそうですから。変なコメントとかもほとんど無いですし、良い人が多い。ちゃんと礼節をわきまえてる方が多いんです!

――ツアー後に一段落したら、今後こういうことが出来たらいいなというのはありますか?

露崎:引き続き曲をどんどん書いて、間髪入れずにレコーディングして、アルバムを出したいですね。

――サウンドと共にビジュアルイメージの変化にも期待しています。

露崎:考えます(笑)。

露崎春女 - アーティスト情報