叱っても部下が辞めない!?上司が知っておくべき「叱る技術」
マネジャーが部下を育てるためには、部下を「叱る」ことも大事です。自分自身の経験に照らしてみても、上司や先輩から叱られることなしに若手社員は成長できないでしょう。「上司から叱られるのが怖い」と思って一生懸命やった結果、いつの間にかスキルが身に付いていたという経験が皆さんにもあるでしょう。結果を出す営業マネジャーは叱り方がうまいものです。
叱り方は人によって様々です。まわりが萎縮するほど大声で怒鳴る人、言葉は荒げなくても強い気迫を感じさせる人……リーダーシップの取り方が百人百様なように、叱り方も自分に合った方法でよいと思います。要は「本気で怒っている」という姿勢が部下にきちんと伝わればよいのです。
しかし実際には、部下を叱らない(叱れない)リーダーが多いのも事実です。
部下を叱るのは、当然のことながらリスクがあります。あまり厳しく叱りすぎると、部下に嫌われるかもしれませんし、会社を辞めてしまうかもしれません。あるいは「パワハラ」で訴えられることもあるでしょう。それらを恐れて部下を叱れないリーダーがじつに多いのです。
しかし、コーチングの前提が部下との信頼関係にあるように、叱ることの前提もやはり部下との信頼関係にあります。日頃から信頼関係ができていれば、一時的に関係が悪化したとしても必ず修復できるものです。
ですからマネジャーは、普段から部下の成功を願い、どうすれば本人が幸せになるかを真剣に考えることです。そのためには、部下の性格や価値観を理解しようと努めることも大切でしょう。さらにいえば、部下の置かれている立場や状況にもしっかり目を向けてあげることです。
例えば、私のコンサルティング先に、将来が期待されていたものの、ある時から数字を大きく落としてしまった営業マンがいました。仕事そのものも雑になり、営業アシスタントからも「何とかしてほしい」と苦情が出る始末です。
マネジャーが面談をして理由を聞いてみたところ、妻と離婚の危機にあることが判明しました。そこで、マネジャーが誠心誠意アドバイスした結果、彼は離婚の危機を脱して家庭を立て直すことができました。それに伴って彼の営業成績も順調に上向き、今では主任に昇格して後輩をバリバリ引っ張っています。
最近「うつ病」になるビジネスマンが増えていますが、私が見てきた限りでは、その原因が仕事だけということはまずありません。必ず仕事以外にも悩みを抱えており、しかもそのほとんどが配偶者との不仲など「家庭の悩み」なのです。
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