3日に国際親善試合スペイン戦を控えるフランスの合宿がパリ郊外クレールフォンテーヌで1日にはじまった。3年4ヶ月ぶりに代表メンバーに選ばれたルイ・サア(エヴァートン)は左太腿の打撲で出場は無理と診断され、イギリスに戻った。

 ドメネク監督はすでにサアの欠場を備え、代わりのFWとしてジブリル・シセ(パナシナイコス)を追加招集していた。シセにとっても久々の代表で、ほぼ1年9ヶ月ぶりとなる。

 最初の発表ではメンバーから外れ、落胆を越えて怒りまで表したシセ。記者会見で代表復帰の心境を訊かれると、「最初はガッカリしたが、これでようやく気持ちが落ち着いた。ほぼ2年間、テレビで代表の試合を観てきたけど、変な気分だった。(復帰は)ずっとあきらめなかった。ゆっくり少しずつ調子を上げてきた」と喜びを噛みしめるように語った。

 現在は「絶好調」と胸を張る。今シーズンの活躍は「ギリシャで」という“括弧付き”の評価にもなりがちだが、「ヨーロッパリーグで5ゴールあげているし、ローマにも勝った。思い上がりなんかじゃないよ」と本来の強気が戻ってきた。具体的には、「以前よりもプレーにムラがなくなった。ゴール前でのミスが少なくなった」と進歩した点を挙げた。

 シセにとって最後の代表合宿は、ユーロ2008直前にさかのぼる。このときは、暫定メンバー30人に入っていたものの、開幕2週間前の最終選考で落選、メクセス(ASローマ)らとともにヘリコプターで合宿所から“送還”されるという苦い思い出がある。「あのときはほんとうにつらかった。もう2度と味わいたくない」と話しているが、今回もW杯メンバーの当落線上にあるのが現状。スペイン戦でははっきりと目に見える活躍で存在感をアピールしたいところだ。