昨年10月のリーマンショックから続く不況だが、企業にとって必ずしもマイナス要素ばかり
ではない。今年10月に学校法人産業能率大学が、362人の人事担当者が回答した「不況による会社の変化」のアンケート結果を発表した。このアンケートによれば「リーマンショック以降一つでも良くなったことがあるか?」という質問に対して、64%が「ある」と回答した。

回答の中で目立ったのは「残業せずに早く帰りやすくなった」(28.3%)、「ワークライフバランスが取りやすくなった」(19.5%)など労働時間に関する回答が1位・2位を占めている。さらに「メンバーが切実感を持って仕事をするようになった」(18.5%)、「より効率よく仕事を片付ける人が増えた」(14.6%)など仕事の生産性に関するものが続く。

人材教育についても「経営層がより重視するようになった」と回答したのが32.8%、「組織として取り組むようになった」という回答も全体の30.4%と、社員の結束力が強まっていることが伺える。

また、景気に対する明るい要素として、10月30日に総務省が公表した労働力調査(速報値)によると、今年9月の完全失業率(季節調整値)は5.3%で、7月から2ヶ月連続で低下した。加えて家計調査報告では、9月の1世帯あたりの消費支出が277,110円と前月から0.1%増加している。

求人市場においても、人材ビジネスを営む株式会社インテリジェンスの調査では、今年9月の求人倍率は0.73倍と前月比で0.01%の低下にとどまった。9月の大型連休の影響で企業の採用活動や個人の就職活動の動きが鈍化したことが原因と見られ、求人市場は底打という見方も出てきている。アルバイト時給も今年9月の全国平均時給では970円と、前月比9円の減額となったものの「専門職系(看護、薬剤師、プログラマーなど)」はリーマンショック直前の昨年9月と比べて12.5%の伸びとなった。

現在は副業を許可する企業も目立ち、自分のスキルを他の分野で生かすことも可能だ。経済情勢はまだ先行きがはっきりとしない。しかし、本業以外のフィールドでスキルを生かす・磨くという土壌が生まれつつあるのは不景気の中の大きなメリットなのかもしれない。


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