ビジャレアルからR・マドリーへ。フロレンティーノ・ペレス会長が選んだのはベンゲル監督でもモウリーニョ監督でもなく、5年間のリーガ経験を持つペジェグリーニ監督だった。「新たなプロジェクトを進める上でフロレンティーノが私を選んでくれたことはとても幸運なことだ。全ての意味で最適な時にR・マドリーへ来たと思う。必要な経験、そして自信、最適な人選だと思う」と自信たっぷりに語ったペジェグリーニ監督。ビッククラブでの新たな挑戦が始まる。

 ビジャレアルとは比較にならないほどのプレッシャーを受けることになるが、「モチベーションにつながる。おびえることはない。どんな要求が高くとも自分のスタイルを変えることはない」と強気だ。ここ数年のR・マドリーのプレースタイルはカウンターアタック狙い。サポーターの納得がいくフットボールを演じていないが、「私は良いフットボールをすれば結果が必ず付いてくると考える。選手とコーチングスタッフの会話も大事にする。そして、長期プロジェクトが成功の鍵だと思っている」とビジャレアルで成功した事をそのままR・マドリーでも続ける構えだ。

 確かにペジェグリーニ監督にはビッククラブを十分率いることができる風格がある。その手腕に疑いの余地はないものの、R・マドリーを指揮するのは簡単ではない。組織的なフットボールが特徴のペジェグリーニ監督だが、獲得が噂されるC・ロナウド、カカ、リベリー、ビジャといった個性が強い選手をどのように組織の中に組み込んで行くのだろうか。リケルメと対立した経験もある監督なだけに疑問は残るが、R・マドリー復活への第一歩は踏み出された。

(スペイン通信)