リーガ第34節、レアル・マドリーはアスレティック・ビルバオに快勝。この勝利を受け、前日のデポルティーボ戦で敗れたバルセロナの逆転優勝の可能性が完全に消滅した。

 今シーズン、未解決の課題が山積みのバルサ。その課題の一つに“アウェイで勝てない病”が上げられる。およそ2ヶ月間、バルサはカンプ・ノウから遠く離れたスタジアムで一勝もあげていない。この間のアウェイでの5試合で2分3敗と獲得した勝ち点はたった2ポイント。首位との勝ち点差は徐々に開き、3位に後退、来シーズンのチャンピオンズリーグ、ストレートインとなる2位の座も危ない状況だ。

 そして、バルサの不調はティエリ・アンリの“ゴール欠乏症”と偶然にも一致する。アンリが最後にゴールを決めたのは2月16日にラ・ロマレダで行われたサラゴサ戦にまでさかのぼる。その試合で先制ゴールを決めたアンリ。バルサは1-2で勝利を収めている。しかしそれ以降、アンリからゴールの快音がパッタリと消えてしまうとともに、チームも2勝4分4敗と勝ち星を大きく獲りこぼしている。

 チャンピオンズリーグ決勝進出を懸けた29日のマンチェスター・ユナイテッドとの大一番に向け、デポル戦は主力を温存して挑んだバルサ。アンリは本来のポジションであるセンターフォワードでプレーしたが、チャンスらしいチャンスもなく、不発に終わった。もちろん、相手DFのマークを外したアンリへのパスの供給源がなかったことも理由に挙げられるが…。

 奇しくもバルサの不調とアンリの“ゴール欠乏症”が重なっているが、アンリに限らず、この5試合でも3試合が無得点とチームの得点力が落ちていることのほうが深刻な問題だ。これら未解決のままとなっている多くの課題は来シーズンに持ち越してはならないものばかりだ。

(スペイン通信)

ティエリ・アンリティエリ・アンリ(Thierry Henry)


生年月日:1977/08/17
所属   :バルセロナ
国籍   :フランス
ポジション:FW