「規制して」都心の住宅街にデータセンター続々建設 自治体は「制度に課題」指摘も 不安抱える住民【スポットライト】
AI時代に欠くことのできないインフラとして、今都心の住宅近接地域に続々と建っている「データセンター」。建設予定地の周辺住民の一部からは騒音や排熱、火災への不安などを巡り不安の声が上がっている。
フジテレビの調査報道統括部が首都圏の自治体を対象にアンケートを行ったところ、6割以上がデータセンターに独自の用途区分が無いことなど、法の不備に課題を感じていることが分かった。
「火災があったら避難できない」と訴え
東京・江東区の千石に住む女性Aさんのマンションでは、境界線からおよそ3.7メートルの距離に高さ50メートルを超えるデータセンターの建設が進んでいる。
この地域は工場なども建てることができる準工業地域に指定されているが、マンションからあまりに近いとして、周辺住民が事業者側に建設計画の一部見直しを求めているのだ。
予定地の周囲はマンションや学校で囲まれていて、Aさんは「準工業地域だから何でもありでは無い」「火災があった際に避難できない恐れがある」と訴えている。
また、Aさんたちは、東京都に対して大規模データセンターを建てる際のルール作りを求める署名活動をしている。
建設ラッシュの背景にある「法の空白」
東京都心でなぜ、データセンターが続々と建てられているのか。
その一因となっているのが、データセンターには法律上の明確な用途区分が無いことだ。
データセンターは現行の建築基準法では「事務所」「その他」として扱われることが多く、立地に制限がかかる「工場」などよりも、住宅周辺に建設しやすくなっている。
6割が「課題あり」23区などアンケート
こうした事態を自治体はどう捉えているのか。東京23区と首都圏の4つの政令指定都市にアンケートをした。
回答したうち半数の12の自治体が、現在稼働中または計画中のデータセンターがあるとし、その数は自治体が把握しているだけでも合わせて33棟に上った。
また、データセンターに独自の用途区分が存在しない現状について尋ねたところ、「課題はあるが現時点では判断できない」がおよそ4割(41%)、「制度見直しを検討すべき」がおよそ2割(18%)となり、あわせておよそ6割が「課題がある」と捉えていることがわかった。
さらに6つの自治体は、「建築基準法上の用途区分が存在しないことから 一定の判断基準を示して欲しい」など、国に対してデータセンターの法律上の明確な位置づけを決めるよう求めた。
法整備を求める自治体の声に対して国土交通省は、「データセンターの立地誘導については、地域の実情に応じた様々な対応が可能であり、地方公共団体が居住環境や土地利用の方針などを踏まえて対応することが重要」と回答。自治体が地域の実情に応じて対応すべき、との考えを示した。
Aさんは取材に対し、「千石の問題はもう変えられないかもしれないが、東京都は地方自治体として日本のモデルになるところだと思うのでしっかり考えてもらって、どうか日本でもデータセンターの規制を設けてほしいと思います」と訴えた。
(フジテレビ報道局調査報道統括部 栗山みゆ)
