ファーウェイが専門会議でAIと電力供給の「双方向融合」の道提示―中国メディア
華為技術(ファーウェイ)がこのほど上海市内で開催した「人工知能(AI)による新たな電力供給」をテーマとする専門サミットは、AIとエネルギーの双方向の融合による発展の道筋を示すものだった。中国メディアの新華網が伝えた。
国家発展改革委員会など中国政府4部門は4月、「AIとエネルギーの双方向型の機能強化の促進に関する行動計画」を共同で発表した。ファーウェイの政府企業電力システム部門の李継光総経理(部門長)は上海市内でのサミットで、この「計画」は2030年までに電力関連とAIの双方向型の機能強化を目指すものであり、打ち出した3政策で、電力業界のデジタル化の成長の論理を再定義したと指摘した。
第1の政策は、発展の重心を単純な計算資源の建設から、計算資源と電力の協同へと転換することだ。将来の計算資源の配置は電力資源や電気料金の変動に従って動的に調整される。第2の政策はAI技術を「デモンストレーションの段階」から脱却させ、太陽光および風力発電の出力予測や施設の不具合予知など電力供給の最前線に深く組み入れることだ。第3の政策は、従来は個別対応だったAIの利用を、完全な体系の構築へと転換することだ。すでに四川省の雅礱江でのプロジェクトは、水力、風力、太陽光発電による電力供給をAIにより一体化し体系づける運用の典型的な事例となった。
李総経理はまた、国家エネルギー局はAIにより価値を高めることができるエネルギー分野での51の場面も発表したと紹介した。これですべてではなく、「第1弾」としての発表という。ただし、多数のシナリオのために単独でシステムを構築すれば、データの分断や資源の重複投資を招く。ファーウェイはこの問題を解消するために、統一された通信と計算資源プラットフォームの考え方を提案した。すなわち、一つの低層基盤によって上層に存在する電力業界のさまざまなモデルの柔軟な展開を確実に支え、多数の独立したシステムが併存することによる資源の著しい浪費を回避する方式だ。
計算資源、ネットワーク、データは電力産業用AIの大規模実装の基礎だ。ファーウェイは階層化された技術体系を構築することで、業界のデジタル化における基盤面の課題を解決した。下層部分では計算資源やストレージなどが一体化したインフラを構築し、中層はクラウドなどに依存する幅広く利用できる開発環境を提供する。このことで電力業界の大規模モデルに柔軟に適応できる。上層部分ではパートナーと協力してそれぞれの箇所での電力網や発電に適合する応用を開発する。
電力のデジタル転換は階層別に計画を立てて段階を踏んで実施せねばならない。ファーウェイスマート発電軍団の黄峰総裁は「適度に先行してITインフラを建設し、スマート化をいざアップグレードする際に障害が発生することを避ける必要がある」と指摘した。黄総裁はさらに、「完全なデジタル化基盤は信頼性の高いネットワークなど8つの要素を含む」と表明した。すなわち、信頼性の高いネットワーク、弾力的なクラウドサービス、強靭(きょうじん)なストレージ、標準化されたデータ管理、業界専用モデル、高性能の計算資源、すべてを網羅する安全防護、利便性の高い開発ツールだ。
黄総裁は、これらを基礎として「スマート発電業務を三つの階層に従って推進する」と述べた。すなわち、電力関連グループ全体のレベルで計画を提供し、地域のレベルでは多種エネルギーの相互補完による協同調整能力を得て、現場のレベルでは生産と販売を連動させることだ。
細分化されたシナリオはいずれの発電手段にも適用される。従来型の火力発電はAIに依存して燃料管理を最適化してエネルギー消費を低減し、風力や水力発電は気象予測を通じて新エネルギーの利用効率を引き上げる。すべての現場で、設備の予知能力によって計画外の稼働停止を減らす。電力取引についてもAIを活用することで、市場化取引での収益向上を支援する。最終的には人とロボットの協同作業を推進し、無人化されたスマート発電所を建設する。
電力のAI転換を単一の企業に頼って成し遂げることはできない。産業界の協働が重要だ。李総経理は、ファーウェイは四つのエコシステム業務に焦点を絞ると述べた。すなわち、計算資源のインフラの強化、高価値シナリオの共同開発、成熟したシナリオの標準化と製品化、および電力企業と共同で行う計算資源と電力の協同新モデルの模索だ。
そして、電力業務とAI技術、持続的運営能力などをいずれも掌握している組織と重点的に協力し、製品の研究開発や市場の開拓を共に展開してイノベーションのリスクを共同で担うという。
李総経理は、「AIが大規模かつ深く電力の全生産チェーンに応用されるには一定の期間が必要だ」と指摘し、業界は出力予測や運用保守などとりわけ大きな価値を持つシナリオを優先実行し、標準化されたAI一体機を通じて全国の現場へと急速に普及させると述べた。
ファーウェイの取締役であるファーウェイクラウドの周躍峰CEOは、水力や火力などによる従来の安定した出力の運用モデルは風力や太陽光の間欠性によって打ち破られつつあると指摘し、「AIは効率を高めるツールから、新たな電力システムの安定した運用や安全な生産の中核的かつ必須の条件へと格上げされた」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)

